「RESURRESTION」鑑賞

昨年高い評価を受けた、中国人監督ビー・ガンの作品。中国語題は「狂野時代」で、日本では「レザレクション」の邦題で秋に公開されるのかな?以下はネタバレ注意。

舞台となるのは、人間の長寿に対して夢が有害であることが判明したため、夢を見ることが廃絶された社会。それでも醜い「迷魂者」といわれる存在が映画のなかに隠れて夢を見続けていた。主人公の女性はサイレント映画のなかでそんな迷魂者を発見し、彼の中に映写機があることを見つけ、彼の夢を覗くためにその映写機から投影させるのだった、というあらすじ。

冒頭の女性と迷魂者のやりとりはドイツの表現主義映画っぽい作りになっていて、傷のついたフィルム映像のなかのサイレント映画として話が進んでいく。この迷魂者の見る夢という設定をフレームにして、六根(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚・意識)をベースにした物語がオムニバス形式で語られる:

  • 戦時中の都市において、音楽家が持っていた謎のスーツケースをめぐる若者と刑事のフィルムノワール的な話。
  • 廃棄された寺院で一晩を過ごすことになった青年のもとに、彼の父親の姿をとった「苦味の霊」が現れる。
  • 特殊能力を持った者に報酬が出される世界で、詐欺師の男性が孤児の少女と組んで報酬を得ようとする。
  • 1999年の大晦日。青年が少女と出会って夜の街をさまようが、彼女にはある秘密があった。

これにまた女性と迷魂者の話が最後にあって6話構成になるのかな。どれも圧倒的な映像美と幻惑的な語り口があわさって非常に不思議な雰囲気を醸し出している。ストップモーションを使ったフィル・ティペットっぽい部分もあれば、ギレルモ・デル・トロの映画のような部分もあり、タルコフスキーの映画のようでもあり。1999年のやつでは印象的な長回しが使われるなど、160分の長尺でも飽きさせない作りになっていた。

冒頭の迷魂者をはじめ、各話に出てくる青年や詐欺師はみんな易烊千璽(ジャクソン・イー)が演じているのだが、メークが違いすぎて同じ役者だとは最後まで気づきませんでしたよ。1999年の、李庚希演じる謎の少女との一晩の恋愛模様が素晴らしかったなあ。

中国の映画には全く詳しくないのですが、最近はこんな作品が作られるようになっているのか。ビー・ガンの過去の作品もチェックしてみよう。