
いちおう史実をもとにした作品だが、以下はネタバレ注意。
舞台は1944年の第二次世界大戦。連合軍はノルマンディー上陸作戦に向けて計画を念密に練り、ドイツ軍に情報が察知される前に作戦を実行したかったが、兵士を無事に揚陸させるためには悪天候を避ける必要があった。当初予定されていた6月5日は過去のデータから好天になると想定されていたが、新しく派遣されてきた天文学者のジェームズ・スタッグは各地の気象データから5日が悪天候になることを察し、上陸作戦を延期することを進言する。軍人たちの鋭い批判にもスタッグは自説を曲げず、司令官のアイゼンハワーは難しい決断を迫られるのだった…というあらすじ。
天気をテーマにしているということで題名の「PRESSURE」は戦争下の「プレッシャー」と「気圧」をかけているわけですね。作戦を延期することで上陸の機会を逃すかもしれない一方で、悪天候によって作戦が失敗するかもしれないという重圧にアイゼンハワーはさらされ、スタッグの方は作戦を延期したとしても次の適時はいつなのか?という答えを見つけなければならない。過去のデータのみを尊重するもう一人の気象学者との駆け引きなどもあって、100分ほどの尺でテンポ良くテンションが切れずに進むよくできた作品だった。戦闘シーンのほとんど出てこない戦争映画だけど、終始緊張感があるというか。
スタッグ役にアンドリュー・スコットで、寡黙ながら信念を曲げない役を好演。アイゼンハワー役はブレンダン・フレイザーで、「キラーズ・オブ・フラワー・ムーン」の弁護士のような威圧感のある役でした。他にもケリー・コンドンやダミアン・ルイスなどが出演。
もともとは舞台劇だったそうだけど、軍司令部のシーンに気象状況やノルマンディーの映像がうまく挿入されて狭苦しい感じは全くしない。なお史実では作戦の延期についてノルウェーの気象学者の進言もあったそうだが、彼については一切言及されないのがご愛嬌ですな。