「G.I. JOE: RESOLUTE」鑑賞


「G.I.ジョー」ってそのアメリカバンザイ的なノリが嫌いでコミックもアニメも読んだ/観たことがなく、当然この夏の映画版も興味がないのですが、こないだウェブ用として公開されたアニメ「G.I. JOE: RESOLUTE」の脚本を「Global Frequency」や「Planetary」で知られるアメコミ作家のウォーレン・エリスが担当したと聞いたのでYouTubeでチマチマと観てみる。

これは全11話からなる作品で、G.I.ジョーの基地である航空母艦が悪の組織コブラに爆破されるところから話は始まる。それと同時に世界中の衛星通信が不通になり、コブラを率いるコブラ・コマンダーは1つの都市を一瞬にして消し去る威力を持った秘密兵器を披露し、世界が彼のもとにひれ伏すことを要求する。そしてG.I.ジョーたちは彼の野望を打ち砕くために奔走するのだが…といった話。

軍の極秘施設(HAARPとか)や大気圏外からの破壊兵器などエリスが好む題材がいろいろ詰まっていて、G.I.ジョーのアニメというよりもウォーレン・エリス作品にG.I.ジョーたちが出ている、といった感じ。でもアクションとバイオレンス満載の描写はファンのあいだでも評判が高いようで「80年代のアニメ版はこうあるべきだった」とか「夏の劇場版より面白いかも!」といった声が多いみたい。スネーク・アイズのオリジン話における変な日本の描写には苦笑するしかないが、全体的にはG.I.ジョーを知らない人でも十分に見応えがある内容になっている。

でもこういうウェブ用のシリーズ(ウェビソード)を観ていつも思うのが、話の尺が5〜10分という状況において各話の終わりでストーリーをいったん締める必要があり、全体としてみると話の盛り上がりに欠けるというか、ラストに向かっての大きな話の持ち上げが出来ないんだよな。おかげでこの作品の終わりかたはとてもアンチクライマックス的だったし、「ギャラクティカ」のウェビソードもそんな感じだった。要するにそれまでの話の流れを最終話できちんとまとめるには尺が足りないということなのかな。加えてウェビソードはTVシリーズなどに比べて副次的な扱いをされており、予算や製作面などでもいろいろ制限されているのかもしれない。でも今後も発展していく可能性は十分にあるフォーマットなので、いずれはこれを最大限に利用した作品というのが出てくるんでしょう。

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