これ、「ターミネーター」じゃないじゃん。
「ターミネーター」という作品を構成していた血と肉をとっぱらって、文字通り骨だけの内容にしてしまったような映画。第一作をあれだけ面白いものにしていた「未来から送られて来た恐怖の殺戮マシーン」というようなプロットは全部捨てられていて、単に金属のガイコツとのドンパチが2時間続くだけの話になってしまっている。でも俺そういうのが観たかったら映画館じゃなくてゲーセンに行きますから。
巨大メカやら大爆発やらを次々と繰り出して来てくるのは結構ですがプロットの薄さは致命的で、マーカスの正体が何なのかは観客みんなすぐ分かっちゃうし、カイル・リースがどんな危険に晒されようとも死なないというお約束もミエミエ。その一方で前作までのストーリーとの整合性に変に縛られているような気がするんだよな。そもそもタイム・トラベルの技術が出てこないのに、なぜスカイネット側はあの時点でカイルの重要性を把握できたんだ???
クリスチャン・ベールは役作りにちゃんと気を使う役者だし、監督だって脚本家だってそれなりに面白い作品を製作しようとこの作品に関わったはずなのに、それが結局このようなダメ作品しか生み出せなかったことに俺は非常にムカついておりまして、それがハリウッドというものの実情なのかは存じませんが、そんなんだったら映画作るの止めちゃえばいいのに。シリーズ自体は今後もダラダラと続けられるだろうけど、「スター・トレック」以上にオーバーホールが必要なフランチャイズなんじゃないの、これ。
マイケル・アイアンサンド(上の写真)がいつもと同じような役で出演してるのは嬉しかったけど、それくらいしか褒められる点が思い浮かばないや。