なぜか未だに日本で公開されてないブラック・コメディ「IN BRUGES」のマーティン・マクドナーがあの作品の前に作った30分の短編映画。こちらで視聴可能。何気にアカデミーの短編賞を受賞してるらしいけど、内容は「IN BRUGES」に負けず劣らずコテコテにブラックな作品だった。主演がブレンダン・グリーソンだというのと列車の中でのやりとりがあるのも「IN BRUGES」と同じ。
舞台はアイルランド。妻を病院で失った男が家に帰るために列車に乗ったところ、口の悪いティーンエイジャーと、赤ん坊を失ったばかりの夫婦と同席することに。ティーンエイジャーの口の悪さは勢いを増し、夫婦は気分を害することになって…というような展開。fuckの連発に加えて飛び降り自殺や爆発する牛など、なかなか極悪な展開が続いていく。ダイアログは秀逸だし見ていて飽きないものの、作者がこの作品を通じて何を言いたいのかはよく分からず…。マクドナーは本業(?)の舞台劇のほうも暴力描写が多いらしいけど、このブラックさは同じアイルランド系であるガース・エニスのコミックに通じるものがあるな。
何でこんなブラックな作品がアカデミー賞を穫れたのかよく分からんけど、まあ悪い作品ではないですよ。