うーん。世間的にはたいへん高い評価を得ている作品ですが、個人的にはどうもしっくりこなかったのだよ。これは作品の良し悪しではなく自分の期待によるものなのでしょうが。
自分にとっての「トイ・ストーリー」というのは、オモチャの主人公たちがドタバタを繰り広げつつも、ホロッとさせてくれるシーンもある作品というイメージで、そのドタバタと真面目の比率が7:3くらいなんだよな。それが今回は「捨てられるオモチャ」という大真面目なテーマが最初から設定されているために、その比率が逆になって、全体的に重々しい雰囲気が感じられてしまうのですよ。
それと「2」のXXXXXに対しても感じたけど、「悪意のあるオモチャ」というのがどうも受け入れられなかった。「2」のザーグみたいに悪役として作られてるもののどこかマヌケなオモチャならいいんだが、今回は(ちゃんと理由があるとはいえ)露骨に悪者のオモチャが出てきたのが好きになれなかったな。オモチャはあくまでも無邪気で、悪いのはクソガキや強欲なコレクターの人間という図式を勝手にいだいてたので。仲間を拷問してゲロらせるオモチャというのは、どうもね。
別に「アニメは陽気であるべきだ!」とか「子供に暗いアニメを見せるな!」とか言うつもりは毛頭ないですが、今までの話とずいぶんトーンが違ったので戸惑ってしまったというべきかな。持ち主に捨てられるオモチャの悲哀なら、すでに「2」のジェシーのフラッシュバックで十分に秀逸な演出を見せられてたし。
でも最後の30分あたり、ゴミ処理場からのシーンはドタバタあり感動的なラストありで、従来の「トイ・ストーリー」を彷彿とさせて大変面白かったですよ。
ちなみに3Dはいらんでしょ、これ。ピクサーによるオモチャたちは2Dで観ても十分に立体感があるし、遊戯所に奥行きができたからってそんなに面白いものでもないし。メガネなしでも普通に見えるくらい、3D処理がされてなかったような?