映画教室 修了

月曜の話になるが、ダウンタウンにある大学でとっていた「低予算映画の作り方」の短期コースを無事修了した。1回だけ出された課題(低予算映画のプロジェクトをたて、製作日程と予算を見積もるというもの)も「現実味のある予算の組み立てだ」ということで「A」をもらえたので良かったかなと。

カナダの映画教室ということで、アメリカと似たようで異なる映画業界の詳細を学べたのは面白かった。例えばカナダは映画撮影も映画鑑賞も盛んな国だけど、撮影されているのも公開されているのもアメリカの映画ばかりである。純粋なカナダ映画なんて殆ど製作されていないし、製作されたとしてもメジャーな映画館でワイドリリースされることなんてまずないわけだ。これはどうも映画製作がコスト的にリスクと見合わないものであることに起因してるらしい。

またカナダドルが米ドルにくらべて安かったことから、90年代後半あたりからハリウッド映画の撮影がカナダで行われることが非常に増加した期間があった。これは現地スタッフの育成にも役立ったわけだが、国外に仕事を流出させることがアメリカ国内で問題視され、最近はめっきり仕事が減ったとか。ケベック州やオンタリオ州なんかは撮影誘致のために税金の免除を打ち出してるけど(州同士で競争してるのが興味深い)、最近ではチェコなどのさらに物価が安い国へ撮影の仕事が流れてしまっているようだ。

一般的に映画撮影って現地の経済にかなりの富をもたらしてくれるわけで、いろんな国や州が税金免除まで持ち出して誘致しようとする理由がよく分かる。日本では資料館なんかを作って撮影を誘致したいなんて言ってる人がいるみたいだけど、ハリウッドのお偉方なんてゼニしか見ない連中なんだから、「税金免除」「物価安」「英語の話せるスタッフ」「レベルの高いスタッフ」などの条件が揃ってないとまず誘致はムリだろう。

ちなみに育成されたスタッフがカナダにゴロゴロいるということは、映画製作が一つの商売として一般的に認められていることであり、製作のシステムが確立されていることを意味する。よって初心者でも製作の手段さえ知っていれば機材をレンタルしたり、スタッフや役者を雇うことが比較的容易にできてしまうのだ。そういう点では低予算映画が作りやすい土壌があるかな、と思う。映画を作って儲けを出せるかどうかは別問題ですが。

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