シドニー・ポラックの映画「ザ・ファーム 法律事務所」のTVシリーズ版。なぜ1993年の映画を今になってしTVシリーズにするのか?というのは誰もが疑問に思うところでしょうが、理由はよく分かりません。原作のジョン・グリシャムのファンがついてくることを期待してんのかな。主人公は当然ながらトム・クルーズではなくジョシュ・ルーカスが代わりに演じている。
映画版の10年後という設定らしいんだけど90分ある第1話は時系列がこんがらがってて、冒頭は主人公がワシントンで黒服の男たちから逃げているシーンで始まり、目の前でクライアントが自殺したかと思いきや話はその6週間後に移り、個人で法律事務所を開設してた主人公が少年の殺傷事件の弁護を任されるのと同時に怪しげな大手の事務所にスカウトされる光景が描かれ、そこからさらに10年前に話が戻って映画版のラストの結果により主人公がマフィアに命を狙われることになった顛末が紹介されている。
まあ10年前の話は今後あまり出てこないだろうけど、現在の場面と6週間前の話を両方クリフハンガーまがいの展開で終わらせてるあたり、両方の話をつじつま合わせて語っていくのは相当苦労するんじゃないかな。そして主人公はマフィアから逃れるために証人保護プログラムに入ってたらしいんだが、それをやめて実名で個人事務所なんか開設するもんだからマフィアに見つかってやんの。妻子あるまっとうな人間のやることとは思えないですね。そのマフィアもボスが数年前に亡くなったのでヘタレな大学生の2代目が後を継いでいる、というのはあまりにもテレビ的な設定のような気がしますが。
よって主人公は日々の弁護士活動に加え、マフィアの復讐や大手事務所の陰謀といった脅威に立ち向かわないといけないはずなのに、危険を自覚してないものだからワガママいって家族や部下に迷惑かけてるだけだったりする。殺傷事件の弁護も人の話を聞いてるだけでろくな弁論などもしないし、クールに振る舞ってるようで実は大したことやってないのはどうかと。
ちなみに大手事務所のボスを演じるのは「ギャラクティカ」のトリシア・ヘルファー。さすがに年齢が顔に出てきてますね。同じく「ギャラクティカ」でレオベンを演じた役者も出てるぞ(要するにカナダで撮影してんのよ)。
アメリカではいろんな批評家にまんべんなくダメ出しをくらってるようなので、おそらく長続きしない番組でしょう。