「ブレードランナー」が公開されてから25年がたつんだと。もう25年かあ…と言っても俺は当然リアルタイムでは観てなくて、中学生のときに吹替版を深夜放送してたのを観たのが初めてだったっけ。うどんを持ってスピナーに乗り込む主人公デッカードの姿にえらく衝撃を受けた覚えがある。実は大昔に発売されたゲーム版(傑作!)でこないだ遊んでいて、この映画のヴィジュアル性およびテーマが現在においても色褪せてないところに感心したばかりなのです。よどんだ朝日の中のタイレル社ビルや、ブラッドベリ・ビルディングでの必死の逃走劇、そして永遠の名セリフ「2つでじゅうぶんですよ!」などは、いつ見ても聞いてもいいなあ。
んでこの25周年を記念してか、リドリー・スコットがさらに念入りに再編集を加えたディレクターズ・カットが今年の後半に劇場公開されるらしい。「Blade Runner: Final Cut」という名前になるらしいけど、日本では既に以前のディレクターズ・カットが「最終版」という名前ででているので、今度のやつはなんて名前にするんだろう。「新・最終版」とかか?
前回のディレクターズ・カットは確かに初回公開版よりも出来がよくて、あの脳天気なエンディング(レイチェルは死なないって?なんだそりゃ?)がなくなったのは嬉しいんだが、個人的にはデッカードのボイスオーバーは残しておいてほしかったな。多くのファンには不評のボイスオーバーだけど、あれはあれでノワール的なところがあって好きだったのに。そしてディレクターズ・カット版は何よりもデッカードはレプリカントだっった、という衝撃の事実を示唆していることで有名だが、俺としてはやはりデッカードは人間でいるべきだと思うのです。というのもフィリップ・K・ディックの原作では、疲れ果てて自分の人間性の欠如を実感したデッカードが自らヴォイト・カンプ検査を受けるシーンがあって、幸か不幸か彼は人間だと証明されるわけだが、人間としてもレプリカントとしても生きられない彼の孤独が表れててすごく好きなシーンだったので、やはり彼をレプリカントにしてしまうのはどうかと。ラストのユニコーンの折り紙を見て、全てを悟る演出なんかは本当にすごいと思うけど。
今度のディレクターズ・カットでは「デッカード=レプリカント」説がさらに強められたものになるのかな。