「Plastic Bag」鑑賞


インディペンデント映画の促進を目的とした公共団体が企画した、Futurestatesという短編シリーズのなかの1作品。スーパーで生まれたレジ袋が、買い物客の女性にいろいろ使ってもらって楽しい時をすごすものの、やがて犬のフンとともに捨てられてしまう。ゴミ処理場に送られたレジ袋だが、女性にもう一度会おうと風にまかせの長い旅をすることになり、やがて太平洋に浮かぶゴミベルトへと辿り着くが…というようなお話。

使い古されたレジ袋が身の上話を語る姿だけでも十分にシュールだが、特筆すべきはヴェルナー・ヘルツォークがナレーションを務めていることで、あの独特の口調が作品に異様な深みを与えている。死ぬことのできない自分を半ば恨みつつ、アメリカ各地の空を舞い海中も漂うレジ袋の姿は、トマス・ピンチョンの「重力の虹」に出てくる死なない電球バイロンに通じるものがあるな。

都市や草原の上を舞いながら飛んでいくレジ袋の描写はとても美しくて、CGなどはいっさい使ってないんだとか。シガー・ロスの人による音楽もいい感じ。昨日の「I’m Here」もそうだけど、無機的なものに感情移入させてくれるというのは映像の醍醐味ですね。

「I’m Here」鑑賞


こないだのサンダンスで公開された、スパイク・ジョーンズの短編映画。またコメディ・タッチの内容になってるのかと思いきや不覚にも感動させられてしまったよ。

人間とロボットが共存している世界が舞台になっていて、その背景については一切説明されないものの、ロボットに対する一種の偏見や規制は存在しているらしい。そんななかで出会った2人のロボットの恋愛と自己犠牲を描いた、極めて真面目なラブストーリーになっている。

話はどことなく80年代の日本のSFマンガとかを彷彿させるけど、演出がとにかく巧い。表情の乏しいロボットたちに感情移入させてしまう手腕は見事だな。スパイク・ジョーンズってストーリーよりも映像が先行する作家かと思ってたけど、観る人のエモーショナルな部分にもちゃんと訴えることができるようになってたんですね。これは「かいじゅうたち〜」も早く観ないといかんな。

30分ほどの尺で、公式サイトで視聴可能だよ。エログロの描写などはないものの、スポンサーがアブソルート・ウォッカなので年齢制限があるサイトになってるのが少し残念。これは万人に観てもらいたい傑作なのに。

「The Expendables」トレーラー


スタローンが監督・主演で、共演がジェイソン・ステイサムにジェット・リー、ミッキー・ローク、ドルフ・ラングレンという質より量で勝負しているようなアクション映画だなあ。おまけにブルース・ウィリスとかシュワルツネッガーなんかも出ているし。ヴァン・ダムは愚かにも出演のオファーを蹴ったそうだが、スティーブン・セガールには誰も声をかけなかったんだろうか。

トレーラーを観る限りとてもベタな内容になりそうだけど、期待していいのかな。今年は「THE LOSERS」や「Aチーム」といった、似た感じの映画が続いて公開されますね。