「MISSING」鑑賞


ABCの新シリーズ。これって全10話のミニ・シリーズ扱いになるの?それとも普通のシリーズ?

レベッカはCIAの敏腕エージェントだったが、夫がヨーロッパで暗殺されたことからCIAを退職し、花屋となって1人息子のマイケルを育てていた。そんなマイケルも成長して大学生になり、ローマへと留学することになる。息子と別れることに心を痛めつつも彼を見送ったレベッカだが、その後しばらくしてマイケルが音信不通になってしまう。心配した彼女は単身でローマに渡りマイケルの下宿に向かうが、そこに彼はいなかったばかりか謎の侵入者と彼女は格闘することになる。やがて彼女は息子が何者かに誘拐されたことを知り、CIAでのスキルとコネクションを駆使して彼を救出することを誓う。こうしてヨーロッパ全土にわたるレベッカの探索が始まるのだった…というようなプロット。

主役のレベッカを演じるのは久しぶりに顔を見たような気がするアシュレイ・ジャッド。冒頭で瞬殺される彼女の夫をショーン・ビーンが演じてるんだけど、彼は今後もフラッシュバックとかで登場するのかな。「Game of Thrones」の撮影で忙しいだろうに。あとは「エアベンダー」のクリフ・カーティスなんかも出演している。

おそらくヨーロッパの企業が出資してるんだろうけど、各地の観光名所におけるロケは金かかってんだろうなあという感じ。とはいえやはり「ボーン」シリーズや「007」シリーズといった劇場作品に比べると格段にチープなので、金がかかってる割には安っぽいという変な印象を受けてしまう。無理にあちこちを飛び回らず、1つの場所での出来事をもうちょっとじっくり描いても良かったと思うんだけどね。

そしてスパイ・アクションも比較的凡庸で、前にどこかの映画で観たなあ…という展開が続く。アシュレイ・ジャッドが悪い役者だとは思わないけど、テンパったママさんという役はあまり似合ってないのではないか。顔をこわばらせて叫んでるだけなんだもの。でもまあ凡庸ということは逆に日本人でもとっつきやすいという訳で、それこそDlifeあたりで放送されるかもしれないが、個人的にはどうでもいい作品。

「ヤング≒アダルト」鑑賞


なんかメタファーがてんこ盛りの映画ですな。主人公の心境が彼女の書く小説にそのまま表れるとことか、青春時代の曲を繰り返し聴くところとかに加え、主人公が1人でジャンクフードばかり食べてる描写とか、登場人物のTシャツとかが「いかにも」といった感じで使われているといった感じ。とはいえあざとい訳ではなく、きちんと効果的に使われているのは巧いな。

観てて気になったのは登場人物の性格描写が少し一元的なところで、主人公は「元カレを取り戻す」という執念で凝り固まっているし、元カレのほうは彼女の魂胆に愚鈍なほど気付かないまま話が進んでいってしまう。しかし観てる側にとっては主人公の勝手な思い入れが報われないことは明らかなわけで、最後に主人公が自分の行為に気付くのがストーリーのテンポ上ちょっと遅いような気がする。これは「マイレージ、マイライフ」もそうだったけど、主人公の成長曲線の上がり方がストーリーよりもワンテンポ遅いような?これは個人の好みの問題かもしれないけどね。

なお個人的にシャーリーズ・セロンって能動的に嫌いな女優でして、無名の頃は積極的におっぱい見せてたくせに、ちょっと有名になると「私を外見でなく中身で評価して!」と言わんばかりに「モンスター」みたいな汚れ役を演じたりするのがどうも計算高いような気がして好きじゃないのですが、今回の役はよく似合ってたと思う。おっぱい見せてくれても良かったけどね。パットン・オズワルトは何をやらせても才能ある人なので安心して見てられる。パトリック・ウィルソンは女性に振り回されるヤサ男の役ばかり演じてない(ナイト・オウル含む)?まあ似合ってるからいいけど。

しかし俺はこの映画の主人公と同じ年で、聴いてる曲の趣味とかも一緒なんだけど、どうも彼女に共感できなかったのは何故なんだろう。ストレス溜まってるとはいえ社会的にそこそこ成功してて結婚も経験してる彼女に対し、こちらは人生を半ば諦めてる独身だからかしらん。

「JUSTICE LEAGUE: DOOM」鑑賞


DCコミックスのアニメーション・ムービー最新作。

90年代後半にマーク・ウェイドがストーリーを担当したJLAのコミック「TOWER OF BABEL」をベースにしたもので、ジャスティス・リーグの宿敵ヴァンダル・サヴェジがベインやチータ、メタロにスター・サファイアといったヴィランたちを招集し、リーグを壊滅させるためのプランを彼らに与えて実行させる。そしてそのプランは功を奏し、弱点を突かれたリーグのメンバーたちは次々と倒されていく。果たしてジャスティス・リーグはこの危機を脱することができるのか?そして彼らの弱点が網羅されたプランを作成したのは誰なのか?というようなストーリー。

まあ思わせぶりなジャケットの絵を見ると、そのプランを作ったのは誰だかすぐ分かっちゃうんですけどね。原作では敵役となるのがラーズ・アル・グールだったけど、彼は他のヴィランとツルまないタイプなのでヴァンダル・サヴェジに変更されたのかな。原始時代から生きていても未だ世界征服を遂げてないサヴェジって実はかなりのヘタレではないかと思うのですが、まあいいや。彼が招集したヴィランたちのグループが悪のリーグことリージョン・オブ・ドゥームであるわけで、作品の題名もそこから来ている。

いっぽう我らがジャスティス・リーグはリブート後のコミックを反映してサイボーグが加入している一方で、リブート版では在籍してないマーシャン・マンハンターがいるなど、ちょっと変則的な編成。とはいえ声優はベテランのティム・デリーやケヴィン・コンロイが起用されてるので往年のファンも安心して観られるのでは。

脚本はこないだ他界してしまったドウェイン・マクダフィの遺作になるらしいが、弱冠間延びしていた原作を90分以下の尺に収めたためか7割くらいが格闘シーンになってしまったのはちょっと芸がないかな。そもそも「TOWER OF BABEL」ってそんなに面白い話だったっけ?JLAのライターがグラント・モリソンからマーク・ウェイドに交代した直後の作品で、モリソンのファンである俺としては何となく失望した印象が残ってるのだけど。といはいえスーパーマンとグリーン・ランタンが宇宙空間で共闘している姿などはオタク心をくすぐるし、オリジナルの結末も結構良かったよ。

このあとのDCのアニメーションはどんなのがくるんだっけ?一説によると「WONDER WOMAN」の販売不振を受けてスーパーマンかバットマンの出てこない作品は作らなくなったらしいんだが、前に製作のウワサがあったニュー・ティーン・タイタンズの傑作「JUDAS CONTRACT」はアニメ化して欲しいなあと願うばかりです。

「GCB」鑑賞


ABCの新シリーズ。最初は「Good Christian Bitches」という原作本と同じ題名だったのが「Good Christian Belles」という名前に変更され、結局「GCB」になったのだとか。昨年の「Shit My Dad Says」とか今度やる「Don’t Trust the Bitch in Apartment 23」とかもそうなんだけど、地上波ネットワークの番組にリスキーな名前つけると絶対あとで変更することになるから、変に無理しないほうがいいと思うのだよ。

アマンダはカリフォルニアに住む主婦だったが、彼女が知らぬ間に夫が出資金詐欺で儲けた金をもって愛人と高飛び中に事故死してしまい、アマンダの家は当局に差し押さえられてしまう。こうしてカリフォルニアにいられなくなった彼女はティーンの子供2人を連れ、故郷のテキサスに住む裕福な母親のもとへ戻るのだが、彼女を待ち受けていたのはかつて彼女がコケにしていた高校の同級生たちだった。彼女たちは敬虔なクリスチャンのようでいて、じつはゴシップ好きで欲深く他人の不幸など一行に構わない主婦たちであり、帰ってきたアマンダが早くも周囲の男性から熱い視線を送られているのを見た彼女たちはさっそくアマンダを貶めることにし、アマンダと元同級生たちのご近所バトルが始まることになる…というようなストーリー。

アマンダを演じるのが「アイアンマン」のレスリー・ビブで、彼女の敵となる元同級生たちのリーダーがクリスティン・チェノウェス(歌あり)。上の宣伝イメージなどから察するに、チェノウェスのほうがメインのキャラクターになってくのかな?他にも「ネイビーファイル」のデビッド・ジェームス・エリオットなどが出ているが、カナダ人の彼にテキサス訛りの英語を話させるのは少し無理があったかも。

改心したクイーン・ビー(いわゆる高校の人気者のビッチ)というのは使い用によってはかなり面白いキャラクターになると思うんだけど(例えば「GLEE」のクイン)、第一話を観た限りではアマンダが単なる「がんばるママさん」としか描かれてなくて、なぜ彼女が同級生たちに敵視されるのかしっくりこないところもあったな。あとアマンダが同級生たちに比べて頭1つくらい背が高いので、彼女たちが迫ってきてもあまり怖くないんだよな。チェノウェスは才能ある人だと思いますが、身長150センチというのがこの役ではネックになるかも。

主婦を主人公にしてるあたりは日本の海外ドラマファンに受けそうな設定ではあるのですが、テキサスの文化とかキリスト教のモラルを前面に出しているところは日本人向きではないな。そもそも本国で受けるのかも微妙な感じがする。このイケてない題名はどうにかならなかったものか。