それなりによく寝たんで昨日の疲れもとれ、気分を一新してニューヨークに来た一番の目的であるMOMAに向かう。街中を歩くとすぐ分かるが、ニューヨークはやはりトロントなんかと全然違う。観光客が多いのは当然ながら、建物のデザインに歴史が感じられるというか、雰囲気が全然違うんだよなあ。トロントの住人がお互いに優しいのに対し、ここだと皆がよそよそしい(というか、誰も英語を話さない)というのはデメリットかもしれないが。 そして新生MOMA。5階くらいあってとにかくデカい。最初の2階は結構モダン/アバンギャルドなデザインの芸術品が飾ってあり、デザインの優れた工業製品とか家具なども飾ってあった。iBookとか。その上はピカソやセザンヌなどの絵が飾ってある。ピカソとかゴッホの絵って、見慣れてるようで現物をじかに見るとかなり良いのでございます。でもマイク・ケリーとかレイモンド・ペティボンとか新しめのアーティストの作品は飾ってなく、せいぜいロバート・クラムの本が売ってたくらい。アメコミのアーティストがもっと美術館とかに認められてもいいと思うんだがなあ。


ジッロ・ポンテコルヴォ監督の疑似ドキュメンタリー映画「アルジェの戦い」(1965)をDVDで観る。傑作だという話は聞いていたものの、ここまで衝撃的な作品だとは思わなかった。 作品の内容は1950年代後半における、アルジェリアのフランスからの独立抗争を扱ったもの。祖国独立のために女性や子供を使ってまで爆弾テロをしかける抵抗組織や、それに対し拷問や無差別攻撃も厭わずに抵抗運動を潰そうとするフランス側の姿を、モノクロの強烈な描写で映し出していく。決して扇動的な内容ではないものの、全体的に抵抗組織よりの視点をもった作品になっていて、祖国を占領された人々がテロに走るさまや、抵抗組織の仕組みなどが観ていてよく理解できる。2003年にもイラクの抵抗組織を理解するための教材として、実際にアメリカの国防総省で試写が行われたらしい。それほど真実味の感じられる作品なのだ。