ロシアの神秘思想家グルジェフの伝記映画「注目すべき人々との出会い」を鑑賞。グルジェフなんて学生時代にちょっとかじったくらいで著作も思想も殆ど知らないんだが、とりあえず観てみた。
どこぞの宗教団体の映画みたいな「うちの師匠はこんな偉いんだぞ」的な描写はまるでなく、啓蒙を求めて謎の「サルムング教団」を探し求めるグルジェフの半生が淡々と描かれている。むしろロードムービーに雰囲気は近いかな。逆に内容があまりにも地味すぎて、グルジェフがなぜ教団を求め、教団から何を学んだのかといったことには殆ど触れてないため、この映画を観てもグルジェフの思想はよく分からなかったりする。
アフガニスタンで撮影されたという映像はなかなかエキゾチックで興味深い。セットもそこそこ凝ってるし、テレンス・スタンプが出てたりするからそれなりに製作費はかかってるみたいだ。残念なのはDVDの画質がものすごく悪いこと。粗悪なテレシネをしたVHSマスターからそのまま起こしたんだろうけど、字幕が映像に焼き付いてるDVDって初めてみたぞ。
なお終盤における舞踏(ムーヴメンツ)のシーンは短いながらもなかなか圧倒的。これだけでも観る価値のある作品だと言えるかもしれない。