ご存知のように前作は狂信的なほどのカルト人気を誇る作品でして、自分のようなごく普通のファンが迂闊な感想を述べるとブレラン警察に吊るし上げをくらうような気もしますが、チケット代も払ってるんだし感想をざっと述べる。以後ネタバレ注意:

・結論から言うととても丁寧に作られたSF作品であってよく出来ているし、前作のファンも十分に楽しめる作品じゃないでしょうか。アクションも多い一方で意味の深い要素も残し、監督の前作「メッセージ」同様にいろいろ考えさせられる内容になっている。

・その反面、難しいといえば難しい内容になっているわけで、アメリカや中国で興行的に苦戦したのは無理もないかなと。大衆が観に行くブロックバスター的作品というわけではないからね。次から次へと謎が出てきては明かされていく展開は飽きさせなく、3時間弱の長尺がまったく気にならないほどであったものの、それでも途中の擬似記憶の説明あたりがちょっと分かりにくかったのは俺だけ?主人公に説明されたことについて、俺は逆の理解をしておりました。

・最近の干ばつのニュースを見てるとね、未来のカリフォルニアって大雨とか雪が降らずにむしろ日照りの世界になるんじゃね?とも思いますが、臨場感は良かったな。撮影のロジャー・ディーキンスって自然な屋外を撮るのが上手い人、という印象があったので今回のような人工的な環境の撮影はどうだろうと思ってたけど、ウォレス社のなかの光加減は美しかったし、「スカイフォール」同様に曇った空での雰囲気を醸し出すのが見事でしたね。

・ストーリーもね、当然ながら深く考えるといろいろ突っ込みたくなるところはあるのだけど、前作の展開をうまく引きつぎ、前作のキャラをうまく活かすことができたんじゃないかと。複数のバージョンがあった前作について1つの答えを出したうえで、肝心な質問についてはまだ考証の余地を残していたのも良かったな。

・でもね、最後の展開がさ、前日に観た別のSF映画と全く同じで、またこれかい!と流石に思いましたよ。手当しろよ!

・ライアン・ゴズリングは「オンリー・ゴッド」以来の殴られメイクで奮闘。ハリソン・フォードは相変わらずのハリソン・フォードなので、もはやあれが唯一の演技だと思ってみるしかないかと。ジャレッド・レトの相変わらず中二病っぽい演技はあまり好きではない。そしてアナ・デ・アルマスとマッケンジー・デイビスだったら、俺は後者をとるね!(何がだ)

・2049年にはパンナムとアタリが復活している。そして樹木が希少価値を持っているなら、酸素はどうやって作られているのだろう。

・このように緻密に作られた良作ではあるものの、やはりルトガー・ハウアーのロイのような強烈なキャラクターが欠けていることもあり、前作を超える出来にはなっていないと思う。とはいえ「メッセージ」につづいてこうして良作のSF映画を作ったヴィルヌーヴ監督、今度の「デューン」にも期待できそうではありませんか。今作の興行的な不振が影響しないといいのだけど。

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