アレクサンダー・ペインの7年ぶりの監督作品。

主人公のマットはハワイに済む弁護士で1800年代からずっと一族に引き継がれてきた膨大な土地の相続人でもあったが、法律によってその土地を売却する必要に見舞われていた。そんなとき妻のエリザベスがボート事故により回復する見込みのない昏睡状態に陥ってしまう。やがて彼女が死を迎えることを2人の娘に伝えるマットだったが、実はエリザベスが不倫をしていたことを知り…というようなストーリー。

妻の死をベースにしながら、娘たちや親族との和解や妻の不倫相手探しなどがハワイの大自然をバックに描かれ、とてもいい感じ。急な話の展開や派手な出来事などがあるわけでもなく、ただ話が進んでいくだけなのに2時間弱の長尺でもまったく飽きさせない。ここらへんはアレクサンダー・ペインの巧いとこだよね。逆に今までの彼の作品がダメだった人はこれも好きになれないかも。

主演のジョージ・クルーニーも非常に良い演技を見せてくれて、仕事第一だったために妻や娘たちの面倒を見ることができず、今になって必死に家族をまとめようとするダメ男を、ユーモアとペーソスをもって絶妙に演じきっている。まあクルーニーが寝取られ男を演じるのは多少無理があるけどね。脇を固めるロバート・フォスターやジュディ・グリアー、マシュー・リラードなども、出番は少ないものの好演を見せている。いちばん良かったのは長女役のシェイリーン・ウッドリーかな。

同じ監督の「アバウト・シュミット」や「サイドウェイ」同様に、どこがどう良かったのかきちんと説明することが難しいんだが、1人の男が出会いや別れや細かいことをいろいろ経験しつつ、少しずつ変わっていくところがいいんですよ。ただ冒頭で「ハワイに住んでるからって、別に楽園に住んでいる訳じゃない」みたいなセリフが出てくるんだが、やはりハワイの生活ってえらく楽しそうなんだよなあ。あと全編を通して流れるハワイアン・ミュージックは賛否両論あるみたい。

地味といえば地味な内容なので、観る人の年齢や性別などによって感想がいろいろ変わってくる作品かもしれないが、自分はとてもいい作品だと思いましたよ。

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