「BRONSON」鑑賞


こないだの「ドライヴ」のニコラス・ウィンディング・レフンがその1つ前に監督した作品。

実在の人物で「イギリスで最も凶暴な囚人」といて知られるマイケル・ピーターソンの半生を描いたもの。子供の頃から悪ガキだったマイケルは教師や警官にも平気でたてつき、結婚してからも悪さを繰り返してついには郵便局強盗で7年の懲役をくらうことに。刑務所のなかでも看守たちにケンカを売り続け、精神病棟に入れられたりしたものの、やがて出所することに。シャバでは裏社会のボクシングの拳闘家として小銭を稼ぎ「チャールズ・ブロンソン」というリングネームを名乗ることになるが、すぐに宝石強盗で逮捕され、それからずっと刑務所で暴れることに…というような内容。

実際のブロンソンは刑務所で何回も看守たちを人質にとって騒ぎを起こし、刑務所を100回以上移転してるような筋金入りのワルなわけだが、その一方で殺人は1度も犯したことがない人物であり、劇中ではユーモアに満ちた人物として好意的に描かれている。

ブロンソンを演じるのはトム・ハーディで、彼のモノローグで話が進んでいくこともあり、彼の一人芝居のような映画になっている。既に「WARRIOR」を観てるので彼の筋肉モリモリの姿にはさほど驚かなかったが、フルチンになって体にバターを塗りたくり、看守に戦いを挑むという狂気に満ちた演技を見せてくれる。「ダークナイト」のベインがジョーカーを演じてるような感じ。彼って「スター・トレック/ネメシス」のときは細身の若造といったイメージだったが、大化けしたよなあ。

主人公がアウトローでシンセポップが用いられてるあたりは「ドライヴ」に通じるものがあるものの、あの映画のノリを期待してると裏切られるかも。むしろ荘厳なクラシックが多用され、暴力行為がスタイリッシュに描かれてるところは「時計じかけのオレンジ」に似てるかな。ただし最初から最後まで主人公が内面的にいっさい成長しないというのはどうなのよ?いちおう刑務所でアートに目覚めるという描写はあるものの、そのまま指南役を人質にしてしまうような有様だし。ちなみに彼の描く絵はアウトサイダー・アートそのまんまで、彼の公式サイト(!)で購入できるぞ。

犯罪者を美化してることとかは構わないんだが、どうも話にメリハリが無いような。拳闘を扱ってるという意味では「ドライヴ」よりもレフンの次作「Only God Forgives」がこれに似た作品になるのかもしれない。

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