「フライト」鑑賞


やるじゃんゼメキス。ここ10年は不気味の谷のあちら側に行っていた感のある人ですが、「キャスト・アウェイ」で培った飛行機落としのテクニックに磨きをかけて、意外にもR指定で実写にカムバックしてきたわけです。

勝手に想像していた「事故のときに何が起こったのか?」という展開の話ではなく、事故とその後の話が時系列に沿って描かれていくわけだが、苦境に陥った主人公が宗教・家族・AAなどといった救済の可能性に触れ、最後に2つの選択肢を持つことになるという流れは「ライフ・オブ・パイ」に少し通じるものがあるかな。

アル中の問題児である主人公の自己中な振る舞いを最初から最後まで見せつけられる展開であるため、本来ならば観客は主人公に感情移入できないはずなのだが、それでも観る人の目を引きつけさせるデンゼル・ワシントンの演技力が凄い。顔面の細かな動きから体の微妙な揺らし方まで、すごく話のリズムに合っていて飽きさせない。彼は共演者からの評判が悪いことであまり好きな役者ではなかったのだが、やはり演技力は超一流であることを実感。相手役のケリー・ライリーって女優はよく知らなかったのですが、こちらもいい演技してます。対してドン・チードルとかはあまり目立ってなかったかな。ジョン・グッドマンがおいしいところを奪ってしまってる感じ。

とはいえ視覚的には前半の飛行機事故のシーンがやはり最大の見せ場であって、そこから先は中だるみこそしないものの地味なシーンが続くので、もう20分くらい削っても損はなかったかもしれない。劇場では隣のオッサンが退屈そうにモソモソしてました。

これはぜひ飛行機の中で観るべき映画ですが、インフライト上映させた度胸のある航空会社はどこかいなかったのかな?

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