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最近は日本でも食肉の不衛生さが暴露された騒動があったけど、アメリカのファストフードのヤバい裏側を暴いたエリック・シュローサーのベストセラー「ファストフードが世界を食いつくす」にリチャード・リンクレイターがストーリーをつけて映画化した「ファスト・フード・ネイション」を観る。脚本にはシュローサーも関わっており、プロデューサーはなぜかあのマルコム・マクラーレン。

原作はファストフードの不衛生さや精肉工場の労働環境の悪さ、ファストフード店が強盗に狙われやすいことなどについて多角的な方面から解説し、非常に興味深い内容になっていたものの、多くのテーマを取りあげたことでやや散漫な印象を与える本だったと思う。それが映画になってストーリーがついたことでもっと統一感が出たかというと、実はそうでもなくて、精肉工場を視察に来たファストフード会社の社員、その工場で働くメキシコからの違法移民、そして近所のファストフード店で働く学生の3者を中心に陰気な話が、あまり絡みあうこともなく淡々と続いていく作品になっている。

出演はグレッグ・キニアをはじめボビー・カナベイルやカタリーナ・サンディーノ・モレノ、ルイス・ガスマン、ポール・ダノ、クリス・クリストファーソンといった実に手堅い連中が揃い、さらにはブルース・ウィリスやイーサン・ホーク、ついでにクリスティーナ・アギレラまでが出演しているものの、なんかみんなセリフが説明的で演技が堅苦しいものになっている。エコロジーについて語るアギレラなんてセリフ棒読みって感じ。知性派(だと思う)のリンクレイターにしては、ちょっと詰めが甘い作品ではないでしょうか。精肉工場や屠殺場の光景なんかは衝撃的だし、あの原作を映画化した努力は認めるものの、普通にドキュメンタリーを製作すればよかったのにと思わずにはいられない作品。

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