大晦日

大晦日だけど、やけに今日は暖かかった。

真夜中にシティーホールで行われるカウントダウン・ライブの見物に行ったら、えらく人でごった返していた。1万人くらいは集まっていたんじゃないだろうか。ろくにステージが見えなかったけど、別に知ってるバンドが出てた訳でもないからまあいい。雪が溶けて地面がぬかるんでいたため、ズボンがずいぶん汚れた。

カウントダウンは真夜中の90秒前から。12時になったら花火なども上げられていた。あれだけ大勢で年越しを祝うのは気分がいいですね。こちらでは「蛍の光」を年を越したあとに歌う、という事に改めて驚く。その後はあれだけの大人数が一斉に解散したため、近くの道路では人が溢れて完全にストップ状態に。クラクションをかき鳴らして祝ってるような車もいたから、ドライバーたちも気にしてないようだったけど。

ウィザーズ

DVDでラルフ・バクシの「ウィザーズ」を鑑賞。結論から言うと明らかに失敗作で、アニメーションの出来も悪いしストーリーも十分に練れてないような気がするが、それでも興味深い作品であることには変わりない。あまりにもアンチクライマックスな最後の戦いには度肝を抜かれたけど。「指輪物語」でも多用していたロトスコープの映像がカッコいい。
ラルフ・バクシというとアングラなイメージがあるけど、この作品は大手スタジオの20世紀フォックスが配給したもの。その公開2週間後にフォックスが出した「スター・ウォーズ」が大ヒットしたため、「ウィザーズ」はヒットしていたにも関わらず上映館を次々と外されていったというバクシのコメントが涙を誘う。

This Is Spinal Tap

DVDで「スパイナル・タップ」を観る。欧米ではカルト的な人気を誇るドキュメンタリー風のコメディで、監督はロブ・ライナー(初監督作)だけど、その偽ドキュメンタリーのスタイルは主演のクリストファー・ゲストの後の作品(「ドッグ・ショウ」とか)にそのまま通じている。人気が落ち目のハードロック・バンド、スパイナル・タップのアメリカ・ツアーの光景を追ったというストーリーはシュールなジョークに溢れていて楽しい。あからさまなギャグに持っていかず、マヌケなんだけれども現実味のある内容になっているのが秀逸。
スパイナル・タップ自体はイギリスの70年代〜80年代初期のバンド(ブラック・サバスとか)をモデルにしているが、その自信過剰な言動や人気の衰え具合などは80年代後期に山ほど出てきて消えていったアメリカのメタル・バンドそのまんまなのが笑える。作品自体は1984年に公開だけど、ポイズンとかファースター・プッシーキャットとかいったバンドのドキュメンタリーと言っても通じるくらいのリアルさがあるんじゃないだろうか。最後に日本で新天地を求めるところなんか、本当によく出来ていると思う(王貞治のTシャツを着てライブをするラストには爆笑した)。なぜ日本ではまだDVDが出てないのだろう。絶対にウケると思うんだが。

セール

地球の裏側では数万人が死んでいるのに、ろくに報道しないCNNは何なんだろう。

クリスマス後のセールは今日も続いているので、いろいろ店を物色してくる。でもセールったって、ガラス細工とか大型家電が安くなっていても自分には何の関係もないわけで、ボディショップでセッケンを買う程度にとどまる。書店でJ・G・バラードの短編全集(!)が2割引きで売ってたのには興味を引かれたけど、ハードカバーでやたら重そうだったので購入せず。書籍は日本に帰ってからもアマゾンで頼めるので。こっちの書店はアート系のコーナーにもコミックス関連の本がたくさん置いてあって嬉しい。日本だとアメコミはまだまだ異端の存在だけど、こっちだとグラフィック・デザインの観点から解説した専門書なども出ているわけだ。ちなみに日本のマンガ関係の書籍もわんさかある。

その後は行きつけのDVDレンタルに行ってラルフ・バクシの「ウィザーズ」とドキュメンタリー「WEATHER UNDERGROUND」を借りてくる。ここ最近劇場で映画観てないなあ。

CNタワー

クリスマスの後はクリスマス商戦の後夜祭?のようなもので、どの店も一斉に出血覚悟のセールに入るのでダウンタウンは買い物客でごったがえしていた。とりあえず快晴だったので、トロントに来た直後に買ったCNタワーの入場券(期限が年末まで)を持ってCNタワーに行ってくる。ホリデーシーズンなのでここも人で一杯だった。高速エレベーターに乗って1分もたたないうちに地上346メートルの展望台へ。既にこの時点で東京タワーより高いわけだが、見晴らしは街並と湖がきれいだな、といった感じ。トロントは本当に真っ平らなので遠くに山々が見えるわけでもなし、まあ普通の光景じゃないでしょうか。薄く氷の張った湖が見れたのは面白かったけど。地上447メートルの展望台スカイポッドは入場に別料金がかかるし、入り口がえらく混雑していたので行かなかった。タワー下の特別ホールでは何故か映画のセット展をやっていて、「スパイダーマン」とか「ハリー・ポッター」の撮影に使われたセットが展示されていた。

それからダウンタウンへ買い物へ。ここ数日は積もった雪が溶けてヌカルミになっていたり、路面上に凍り付いていたりしているので、通りを歩くのにもスーパーマリオのごとくジャンプしたり腰にタメを入れてゆっくり歩いたりしなければならず、えらく疲れる。本格的な冬用のジャケットを買おうかと思って山岳用品の店に行くが、残念ながらお目立てのジャケットはすでに完売してしまっていた。もっと早く買っておけばよかったと後悔。女性用の同型モデルを買おうかな。