「スキャナー・ダークリー」鑑賞


やっと観た。なかなか良い出来の作品。ただしアニメ化したことが100パーセント正解かというとそうでもない気もするわけで、70年代のチープなSF映画の雰囲気(「THX1138」とか「スキャナーズ」とか)で映像化されたものも観てみたかった気がする。

あと主人公のボブ・アークターって、ずっと前に原作を読んだときは本来は麻薬の売人で、捜査をかわすために麻薬捜査官になったのかと思ってたけど、そうじゃなくて逆に捜査官がおとり捜査のために売人に扮していた、というのが正しいの?どこで読み間違えたんだろう。

「ディボース・ショウ」鑑賞

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コーエン兄弟の「ディボース・ショウ」を鑑賞。

これで「ノーカントリー」以外の彼らの作品はみんな観たことになるな。一般的には評価の低い作品だけど、何気にけっこう楽しめる作品だった。黄金時代のハリウッドのコメディを彷彿とさせる展開に加え、役者たちもリラックスしたノリで話が進んでいってなかなか面白い。最後の殺し屋のプロットだけが変だったかな。自分への殺し屋を雇うような奴と結婚したいと思うかあ?それでも「レディキラーズ」や「未来は今」よりも面白い佳作。

コーエン兄弟は「ノーカントリー」でノワール系に戻ってしまったけど、今後もこの路線でまたコメディ映画を作って欲しいな、と思わせてくれるだけの出来だった。

「FITNA」鑑賞

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日本じゃあまり話題になってないが、世界的には大論争を引き起こしているオランダ製の反イスラム映画「FITNA」を観る。最初にネット上で公開したサイトはイスラム諸国の抗議によりすぐさま公開を中止したものの、例によってGoogle VideoやYoutubeで視聴可能になってしまった。

内容は16分ほどの短い作品で、コーランの「アッラーの敵,あなたがたの敵に恐怖を与えなさい」などといった文章を引用しながら、911テロやイスラム系テロリストなどのショッキングな映像を重ね合わせてイスラムの脅威を強調し、最後にオランダにおけるイスラム教徒の増加のデータなどを示して、観る人にイスラムへの恐怖を植え付けようとするものになっている。

で、まあ、作った人の意図することはよく分かるんだけど、なんか出来がよくないのよ。コーランに限らず聖書でもタルムードでも、扇動的な文章を抜き出して狂信的な原理主義者の映像を重ねてしまえばこれくらいの作品はできてしまうし、編集の出来とかも大学生レベル。FOXニュースのほうがずっとましなプロパガンダ作ってまっせ。保守系新聞のワシントン・タイムズさえも「大した内容じゃない」と批評してるし。ただオランダ人が作っただけに「イスラムが台頭するとゲイが迫害されるぞ!」とアジってるところが興味深かったかな。キリスト教右派とかだったらここは賛成にまわる部分だからね。

今後もしばらくはこの作品にまつわる議論は広がっていくだろうけど、正直それに値するだけのものか?という感じ。

「サウスパーク」での「ヘビー・メタル」のパロディ

「サウスパーク」ってケーブルチャンネルの18禁指定番組が18禁なネタを繰り広げてるだけで、「シンプソンズ」みたいなクレバーさが欠如してる気がして正直好きな番組ではないのですが、こないだ放送されたエピソードではあのカルトアニメ映画「ヘビー・メタル」のパロディをやってくれた:ダン・オバノンの「ゾンビ戦闘機」とかも出てきてなかなか凝ってんなあ、という感じ。

「ヘビー・メタル」って今でこそどこでも観れるようになったけど、10年くらい前までは音楽権の問題によりずっとビデオ化されなくて、幻の作品扱いされてたんだよね。俺は六本木の俳優座で限定公開されたのを観に行った覚えがある。

ちなみにこないだサービス開始された「southparkstudios.com」はアメリカ国外からもCMなしで「サウスパーク」の各話が観れてしまうというなかなか太っ腹なサービス。興味のある人はどうぞ。