Aug 10

観たよ。俺の愛する「オニオン」とはまったく別物の映画だと割り切って観れば、まあまあの作品といった感じ。

プロデューサーにZAZのデビッド・ザッカーがいることからも分かるように、風刺新聞というよりも「ケンタッキー・フライド・ムービー」のようなコメディ・スケッチ集のノリをもった映画になっている。各スケッチに出てくる人物が他のスケッチにもクロスオーバーして出てくるところなんかは、アルトマンの「ショート・カッツ」や「シンプソンズ」の「スプリングフィールドに関する22の短いフィルム」を連想させるかな。

いちおうプロットらしきものもあって、人気ニュース局「オニオン・ニュース」では「露骨に性的なティーン歌手」とか「アルツハイマー患者の行進」などといったシュールなニュースを流していたが、週末に公開されるスティーブ・・セガール主演の映画「コック・パンチャー」の宣伝が過剰に挿入されることにキャスターのノームは苛立ちを感じていた。重役にそのことを訴えるものの相手にされず、ついにノームの我慢は限界に達するが…。というもの。でもまあプロットなんて関係ない作品だけどね。

そもそも新聞版&ウェブ版の「オニオン」の魅力は「ヤンキーズ、呪いを避けるためにバーニー・ウィリアムズを埋める」などといった非常に鋭い時事ネタや風刺にあるはずなんだけど、今回のは映画という「作るのに時間がかかる媒体」であるがために、時事ネタがなくなって全体的にベタなジョークで埋め尽くされてしまったのは残念。「オニオン」をこの映画で判断してしまってはいけませんよ。このサイトにもリンクを貼ってあるので、本家の面白さをちゃんと理解するように。

written by Kingink

Aug 10

かつて中島らもが希有のカルト作品であるかのように取り上げてた記憶があるが、グレゴリー・ペックとローレンス・オリヴィエという2大俳優の共演作というだけあって、すくなくとも欧米ではそれなりに知られた作品、のはず。

ナチス・ドイツの敗北後にブラジルで潜伏していた「死の天使」ことヨーゼフ・メンゲレによる、ヒットラーのクローンを世界各地で育てようとする計画と、それを暴こうとする老ナチ・ハンターを描いたストーリー。しかし演出がタルいうえにメンゲレが何をしたいのかが終盤までよく分からないうえ、メンゲレを演じるペックの演技は大げさすぎ。オリヴィエのナチ・ハンターもヨボヨボの老人でどうも頼りないし、正直なところ観てて面白い作品ではなかった。カルトというよりも単なるB級の映画。

もちろんヒットラーの生物学的なクローンを作っただけでは彼と同じ性格の人間が出来るわけではないから、なるべく彼のものと似た生活環境の家庭に送り込んで同じような人格形成を行うという設定がされており、おかげで小ヒットラーたちはみんな立派なクソガキに成長しているんだが、そんな簡単に同じ性格の人間って作れるのか?レゲエにはまって黒人と仲良くなるヒットラーとか、朝からビールばかり飲んでるホワイトトラッシュのヒットラーとかになるほうが確立は高いと思うんだが。

ちなみにこの映画が公開された時点では本物のメンゲレは存命だったそうな。つまり現代でいうとオサマ・ビン=ラディンがサダム・フセインのクローンを作ろうとする映画をビン=ラディンに無断で作っちゃったようなものか。こういう場合の肖像権とかってどうなるんだろう。

written by Kingink

Ȃ̂Ђ