「TRON LEGACY」ティーザー


今年のコミコンも無事終了し、相変わらずコミックとは関係ないことばかりが話題になったようですが、個人的にいちばん興味をひかれたのは「V」のリメークでも「アバター」でもなく、「トロン」の続編「TRON LEGACY」のティーザーかと。実は昨年のコミコンで既に公開されてるんだけどね。あらためてHD画像で見ると非常に期待できそうな出来。やはりジェフ・ブリッジスが前作に続いて出ているところがツボだな。

ただ1982年に公開された前作は、今から見るとチャチなCGしか使っていないものの「コンピューターの中の世界」というセンス・オブ・ワンダーを存分に体験させてくれた名作で、あれを見てCGに興味を持った人も多いと聞くけど、今みたいにCGで何でも出来てしまう時代だと、もはやそういうインパクトは無くなってしまったのかもしれないですね。

あとライトサイクルはやはり直角に曲がらなきゃ。

マッドハウス版「アイアンマン」


日本のアニメ製作会社マッドハウスがマーヴェルと組んで、「アイアンマン」をはじめとするマーヴェルのキャラのアニメを4つ作るのだそうな。個人的に日本のアニメってあまり興味がなくて、特に上のトレーラーのような黒の多い画は好きじゃないのですが、ストーリーを担当するのが「GI JOE: RESOLUTE」のウォーレン・エリスだというのは期待できそうかも。ただしエリスは以前にコミックで「アイアンマン」を手がけた際は発刊が遅れに遅れグダグダになった前科があるので、今回はもっとマシなものにしてほしいところです。一方「ウルヴァリン」のほうはかなりヒドい出来になってますが。

日本のアニメといえば、天下のニューヨーク・タイムズに、日本の「二次元萌え」に関する長い記事が載っておりまして、聞き慣れたような話であっても英語で「Furnace of Child Love」なんて書かれたりすると確かに引くものはあるよな。読者のコメントにもあるように、こういうのはあくまでも極端な例であることを皆が理解してくれればいいんですが。

「SUPERMAN: RED SON」鑑賞

マーク・ミラー&デイヴ・ジョンソンによるコミックのモーション・コミック版。世間的には評価の高い作品だけど、前に読んだときはあまり面白いとは思わなかったかな。いわゆる「もしも…」の世界を描いたエルスワールズもので、スーパーマンがアメリカではなくソビエトで育ったという設定のもと、冷戦における最終兵器としてのスーパーマンと、彼を打ち負かそうとするレックス・ルーサーの勝負を描いた内容になっている。

アーティストのデイヴ・ジョンソンって「100 BULLETS」の表紙絵とかで知られる人で、要するに動きのある描写よりも表紙のような静止画を得意としてるわけだが、そのスタイルはコマごとに細かく切り抜かれて動きがつけられるモーション・コミックには合ってないような気がする。またマーク・ミラーは長ったらしくて皮肉のきいたセリフを書くことで人気があるライターだけど(おかげで最近の彼の作品は口の達者なキャラばかりが登場することになった)、実際にそれらのセリフが音読されると非常に長くてわざとらしいものに聞こえてしまう。アートの動き具合も「ウォッチメン」とかに比べて堅いところがあって、DCコミックスのモーション・コミックとしては出来が悪い作品であった。

「マーヴェルマン」復活か!?

ギーク向けのハイプと言われようが、サンディエゴでのコミコンはずいぶん盛り上がってるようで様々なニュースや話題が飛び交っておりまして、それらについてはいずれ後でまとめようかと思うけど、晴天の霹靂のごとく今朝とびこんできたニュースが、なんとマーヴェル・コミックスが「マーヴェルマン」の権利を取得したというもの!!

「マーヴェルマン」(別名ミラクルマン)はアラン・ムーアの初期の大傑作コミックでして、もともと50年代にミック・アングロがキャプテン・マーヴェルをベースに創造したキャラクターを、80年代にムーアが独自のスタイルでリメークしたもので、そのスーパーヒーローの斬新な描写は多くの人に衝撃を与えたんだよね。ムーアが降板したのちはニール・ゲイマンがストーリーを担当したんだけど、途中でキャラクターの著作権に関する問題などが生じてゲイマンの話は未完に終わり、ペーパーバックなども再刊されずファンのあいだでは幻の作品とされていたのです。

それが今回、ゲイマンの手助けなどもありキャラクターの権利がミック・アングロからマーヴェルに移譲されたのだそうな。ただしミラクルマンの権利を主張する人はアングロの他にもたくさんいまして、特に数年前にトッド・マクファーレンが権利を取得したと主張していてゲイマンとケンカになったんだよな。あそこらへんは今後も火種になってくるんだろうか。でもこれで永遠に解決されないかと思われた権利問題に大きな進展が見られたわけで、過去の作品の再販、およびゲイマンのストーリーの続きが読めることを期待していいんだろうか。あとアメリカで発売される際にマーヴェルがクレームをよせたことで「マーヴェルマン」は「ミラクルマン」と改名された経緯があるんだけど、これで晴れて「マーヴェルマン」と呼ばれることになったのも大きな朗報かと。

分からない人には分からないだろうけど、これってファンにとってはとてつもない大ニュースなんですよ。いやーまさかこんなことが起きるとは思わなかった。移譲先がマーヴェルという大会社なのがちょっと不安ではあるけど。