「AVクラブ」のコミック特集

今週の「AVクラブ」はコミコンの開催にあわせコミックス特集を組んでおりまして、グラント・モリソンやセスのインタビュー、「良くも悪くも業界に影響を与えたアーティスト」のリストなど様々な記事がフィーチャーされてるのでありますよ。中でも非常に素晴らしかったのが「スワンプ・シング」のアーティストとして知られるスティーブ・ビセットへのインタビューで、アラン・ムーアとのコラボや80年代のコミック作家の労働環境、「フロム・ヘル」が連載されたことで知られる「タブー」誌の創刊に関わる話など、非常に興味深いことがいくつも語られている。

こういうのを読んでいて歯がゆいのは、アメコミというのが日本ではまだまだ知られていないアートであるということ。いやニッチな産業であることは承知してるんですけどね、アメコミ映画がヒットしているのも関わらず、アメコミの奥の深さが殆ど知られていないのは勿体ないなあと。せいぜいサブカル雑誌でスーパーヒーロー作品が紹介されてる程度だものね。簡単な歴史書というか、20世紀初頭から現在までの代表的な作品とアーティストを簡潔に紹介する本があるだけでも知名度の向上につながると思うのだけど、誰か書いてくれませんかね。

アメリカで最も信用できるニュースキャスター

「アメリカで最も信用できる人物」と呼ばれたニュースキャスターのウォルター・クロンカイトが先日他界したわけだが、その後に行われたTIMEのオンライン投票では、「デイリーショー」のジョン・スチュワートが「アメリカで最も信用できるニュースキャスター」に選ばれたそうな

まあオンライン投票の結果なんてアテにならないけどね。例によってdiggなどでは「デイリーショー」だけが真実を伝える番組だ!なんて書き込みもされてるようですが、個人的にはじゃあ「デイリーショー」が既存のニュース番組の代わりになるかというとそうは思ってなくて、例えば以前にバージニアテックで乱射事件があったとき、あの番組は事件をいっさい取り上げなかったわけですよ。要するに冗談にならないような事柄には弱いわけですね。

そういう意味でもニュース番組や新聞というのはまだまだ重要な役目を担っていると思っていまして、世間ではマスゴミだの反日だのウヨだの叩かれてたりするけど、世の中の出来事を報道する人々というのは必要でしょう。そもそも偏向報道というか、伝える側の意向が含まれていない報道なんてものは存在しないと思うので、大切なのは正しい報道をすることだけではなく、報道を受ける側がきちんと多様な情報を処理して自分なりの結論を導きだす、いわゆるメディアリテラシーが今まで以上に求められているのではないかと最近よく考えるのです。

そう言っときながらも俺はここ10年くらい新聞とってないし、テレビも5年以上持ってないのですが…。

ドクター・フーの新しい外見

「ドクター・フー」の新シーズンの撮影が始まったそうで、新しいドクターとなるマット・スミスの衣装が話題になってるそうな。蝶ネクタイにツイードのジャケット、めくり上げたズボンにモンキーブーツといういでたちは、スーツ姿にコンバースだったデビッド・テナントの格好よりもレトロな感じがしないでもない。BBCのサイトでは賛否両論が挙げられているけど、まあ実際に映像になってみないと何とも言えないわな。

新しいコンパニオンも可愛い女の子になるようで、それなりに期待が持てますね。しかし現在の10代目のドクターはどうやって11代目にバトンタッチするんだろう。

「ゼイリブ」鑑賞

前から観たかったのよ、これ。

前半の30分くらいは、突然テレビに映し出される海賊放送や人民はコントロールされているというメッセージ、上空を旋回する警察のヘリコプターや住民を襲撃する機動隊などの描写が、例のカーペンターな音楽にあわせて独特な雰囲気を作ることに成功しており、「おおっ、これはビデオドローム!」とか思ったんですけどね。

でもエイリアンたちを識別できるサングラスをかけるようになってから、無口だった主人公が急に饒舌になって、かの有名な決めゼリフ「俺はここにガムを噛み、ケツを蹴りに来た。そしてガムは切らしている」を発してからはズルズルとB級映画のノリになっていくところが、まあジョン・カーペンターかなと。あの意味もなく延々と続くケンカとか、背広姿で異星に向かう宇宙港とか、全体のストーリーとあまり関係ないところの描写がやけに凝ってたりするんだよな。

でも扱っているテーマは非常に興味深いものがあるし、かなり楽しめる作品だった。例によってリメイクの話があるそうだけど、「要塞警察」も「ハロウィン」もリメイク版は評判悪いんだから無理して作ることもないのにね。

「モンキーボーン」鑑賞

こないだ「コラライン」のDVDを注文したので、その予習としてひとつ。監督自身が駄作と認めてるような作品だが、それなりに面白かった。

確かに演出は拙いし、話の展開もトロかったりするんだが、それはそれで味のある映画かと。特に前半の、昏睡状態に陥った主人公の悪夢のシーンなんかは見応えあり。特に地獄(辺獄?)の「ダウンタウン」の描写はザ・レジデンツの「バッドデイ・オン・ザ・ミッドウェイ」に通じるものがあるな。

出演者ではチョイ役であるものの解剖医を演じるボブ・オデンカークが相変わらず素晴らしい。あとはクリス・カッタン。あの人ってジミー・ファロンの10倍くらい面白いと思うんだけど、最近あまり話を聞かなくなっちゃいましたね。そして俺は今のところブレンダン・フレイザーが出ている駄作というのを観たことがないかも。そんなに観てませんが。

3連休でもやることがなくて家でゴロゴロしてる人間が、サクッと観るにはうってつけの作品。