前から観たかったのよ、これ。
前半の30分くらいは、突然テレビに映し出される海賊放送や人民はコントロールされているというメッセージ、上空を旋回する警察のヘリコプターや住民を襲撃する機動隊などの描写が、例のカーペンターな音楽にあわせて独特な雰囲気を作ることに成功しており、「おおっ、これはビデオドローム!」とか思ったんですけどね。
でもエイリアンたちを識別できるサングラスをかけるようになってから、無口だった主人公が急に饒舌になって、かの有名な決めゼリフ「俺はここにガムを噛み、ケツを蹴りに来た。そしてガムは切らしている」を発してからはズルズルとB級映画のノリになっていくところが、まあジョン・カーペンターかなと。あの意味もなく延々と続くケンカとか、背広姿で異星に向かう宇宙港とか、全体のストーリーとあまり関係ないところの描写がやけに凝ってたりするんだよな。
でも扱っているテーマは非常に興味深いものがあるし、かなり楽しめる作品だった。例によってリメイクの話があるそうだけど、「要塞警察」も「ハロウィン」もリメイク版は評判悪いんだから無理して作ることもないのにね。