アメリカ出張に行ってたので、飛行機のなかで観た映画の感想をざっと:
「カンフー・パンダ3」:最強の敵がやってきて、最初は主人公が苦戦していたものの、意外にも奥義を習得してやっつける、というパターンを三たび繰り返しているだけでは…ロールプレイングゲームとかもそうだけど主人公が「選ばれし者」だという設定っておれ嫌いなんだよな。アニメーションの出来はよくてストーリーテリングも手馴れているだけに、もっと新しいことやってほしかった。自分の子供3人をしっかり声優に起用させてるところにアンジェリーナ・ジョリーの親バカっぷりが伺える。
「アーロと少年」:ピクサー作品、もといディズニーアニメにしては珍しく登場する動物が微妙にグロくて、小動物は肉食動物にムシャムシャ喰われるし、酒?に酔って気色悪い幻覚を見たり、さらには放尿シーンがあったりと、ちょっとだけ大人向けの作りになってるのですが、じゃあ話が面白いかというとそうでもなく。迷子の帰郷って「ファインディング・ニモ」がずっと上手くやってしまったからなあ。そもそも首長竜に農耕をさせるというコンセプトがよく分からんのよね。
「Concussion」:アメフトの衝突が脳に与える悪影響について検証し警告した実在の医師をウィル・スミスが演じているのだが、もはや彼はセレブとしての印象が強いため、真面目に演技しようとすればするだけ逆に空回りしているような感は否めない。脇をベテラン中年の俳優陣で固めているのもスミスとしっくり合ってないような。主人公の生活にではなく、脳への悪影響の説明や、NFLが彼に仕掛けてきたという嫌がらせにもっと焦点を当ててれば面白くなっただろうに。
「ズーランダー No.2」:前作はそんなに好きではなかったけど、これはコメディとアクションがあって気軽に観るぶんには楽しめる作品では?ペネロペ・クルスを加えたのが良かったですね。あとはハリウッドとファッション業界のセレブがいろいろチョイ役で出てくるのを楽しむわけだが、ニール・デグラス・タイソンって彼らに匹敵するセレブになったんだなあ。
「ビクター・フランケンシュタイン」:最後にクレジットを見て気づいたのだが、これ脚本がマックス・ランディスだったのか。しかし手垢のついた話が進んで行くだけで、さほど面白いとは思えず。セットも立派だし、出演者も体をはって演技してるのに、なんか報われてないのよな。「アメリカン・ウルトラ」も凡作だったが、マックス君はコメディ・アクションでなく「クロニクル」みたいな真面目な若者向け作品を書いたほうが良いのではないか?
あとは「オデッセイ」の各シーンをつまんで観ても十分面白いことに気づく。中国との「スターマン」や最後の「アイアンマン」のところ、あるいはリッチ・パーネル・マヌーバーの説明とか。1つの問題がテンポよく解決される構成になってるんだよな。
なお今までは飛行機で提供される映画って、キワどい内容は編集されてスクリーンの画角も修正されてたけれど、今回の便では「この作品の内容は修正されてません。気をつけて視聴ください」みたいな断り書きがついているものが多かった。これはこれで良いことかと。エッチなシーンを見てるのを周囲の乗客に気付かれるのは恥ずかしいでしょうが。