ジェームズ・ガンがプロデュースしたSFホラー。脚本がガンの従兄弟ふたりで、監督も「ガーディアンズ」にチョイ役で出演した人という、ジェームズ・ガン人脈で作られた小品になっている。日本では映画配給に乗り出した楽天が公開するらしいですが、いつになることやら。以降は思いっきりネタバレしてるので注意。
プロットは、まあ予告編見ればわかるのですが、一行で説明すると:
もしスーパーマンが悪人だったら?
というもの。カンサスの農家に赤ん坊を乗せた宇宙船が墜落し、ちょうど子供を欲しがっていた農家の夫妻がそのまま赤ん坊を養子として育てることに。ブランドンと名付けられた少年は、しかし12歳になると超人的な能力を見せつけるようになり、それと同時に奇怪な言動をとるようになり、周囲の人々を不安がらせるようになる…というのがおおまかなあらすじ。
ブランドンの能力は怪力・飛行・ヒートビジョンといったところで、スーパーマンそのまんま。あとちょっと電気器具を操れるみたい。赤ん坊のときに乗ってきた宇宙船が納屋に隠されているところなんかも、明らかにスーパーマンを意識してますな。DCコミックスにキャラクター使用料を払ったほうがいいレベル。まあドリームワークスの「メガマインド」も設定が似てましたが。
ブランドンを育てた夫妻はいい人たちであるものの、悲しいことにブランドン君はそんな両親の愛情を無下にしてヒネくれたクソガキとなり、変なエリート思想を抱いて自分の気に食わない連中を痛い目に遭わせていく。12歳ということで日本の中学二年生より年下だが、言動はいわゆる中二病そのものでして、クラスメートの女の子にストーカー行為をしたり、「ブランドンマーク」を考案して事件の現場に残していくものだから、周囲にすぐ疑われてやんの。
予告編を見れば話の内容が大体わかってしまうから、最初の30分くらいは話の展開が読めるので結構しんどい。後半になってからもブランドンが悪に目覚めて暴走する展開はかなり想定通りというか。終わり方がちょっと意外だったのと、エンドクレジット中の映像でかなり強烈なネタをかましてくる(左下のキャラクターに注目)ところは面白かったけど。
劇中にノートパソコンと携帯電話がちょっと登場するほかは、田舎が舞台ということもあり全体的にレトロな感じがあって、「オーメン」みたいな70年代のホラーっぽい雰囲気もあったかな。それなりにグロ描写もあるし。
「マン・オブ・スティール」はスーパーマンの宇宙人としての側面を強く描いていたけど、こちらはそれにホラーの要素を加えたもの。あまり怖くないけど。いかんせん脚本が稚拙で、それこそ中学二年生が考えたような内容の映画でした。このままDCユニバースの映画とクロスオーバーとかしたら非常に面白いのでしょうが、まあ有り得ないでしょうね。