ストリートだけでなくボルチモアの市議会での権力争いにも焦点を当てたシーズン。ボルチモアの市長がこないだ汚職で起訴されたなんて話を聞くと、現実世界でもあそこはドロドロしたものがあるんだなあと思わずにはいられない。
でもやはり一番観ていて面白いのは市議会の部分ではなく、麻薬組織の闘争によって増発する殺人事件を減らすためにバニー・コルビンが苦肉の策として生み出した「麻薬合法化区画」の創設から崩壊までの流れ。麻薬の取り締まりがなくなったことで見張り役の子供たちが大量失業するなどという描写は非常に興味深かった。こうした仕組みを考えなければならないほどボルチモアの治安は悪化しているということか。元巨人の上原はこんな街に行って大丈夫なのかおい。
あとこの作品の主要なテーマである「末端の人々の努力が、権力者の私欲によって潰される」という点は今回も顕著で、麻薬組織から抜け出し合法的に権力者になろうとしたストリンガー・ベルの運命が特に象徴的であった。これらはギリシャ悲劇に通じるものがあると書いていた人がいたけど、確かにそうかもしれない。
次はいよいよ全シーズン中最高の呼び名も高いシーズン4だ。