8月の半ばに衝動的に申し込んだ、4泊5日の中国旅行に行ってきたのですよ。上海とその周辺をまわる団体ツアーで、旅費・食費・1人参加料金みんな込みで7万円という破格の安さ。安いがうえに例によって旅行会社と組んだ店でのショッピングに何度も連れてかれるのには閉口したが。妻も子供も彼女もいない自分のような者にとってはおみやげを買ってくような動機もないので店員のアプローチにも涼しい顔をしてられたけど、同行の女性客たちは目の色を変えて真珠とかお茶とかをたんまり買ってて、世の中の消費というのはいかに女性が左右しているかを実感した次第です。
蘇州のカルフールではビールとポテチ買って100円ちょっとしかしなかった一方で、上海のオサレな通りのスタバではコーヒーが日本と同額かそれ以上しているのを見ると、貧富の差が都市部と地方で激しいのは一目瞭然なわけで、これからは臨海部の好景気をいかに地方まで持っていくかが政府の課題になるみたい。1つの国のなかにいくつもの国があるような状態だと、外交なんぞよりも内政が相当忙しくなるんじゃないですかね。あと10年ほど経済の発達が続くとして、日本の企業もどこまでその恩恵に預かれることができるか。ただあっちはただ利益を出すだけでなく、権力側とのなれ合いも重要らしいので日本の企業は苦戦するのかな。昔の庭園のデザインからして「権力と富」を祈願したものが多いのを見ると、このまま金持ちだけが優遇される社会になるのか、貧民たちも救済されるのか、なかなか予想しにくいところがありますね。
メシは可も不可もなかったというか、水のマズさ(ホテルの水道水でも口に含むと異臭がした)を考慮すると出された料理についてはあまり深く考えたくないし、屋台で売られてる料理とかは何が入ってるか分からなかったから絶対に口にできなかったですね。よくテレビ番組とかでゲテモノ料理が紹介されてるのを観ると、「あんなもの余裕で食えるじゃん」とか思ってたけど、実際にその調理現場とか目にすると口にすることはできんすね。今回は水郷をめぐるツアーということで湖とか運河とか行ったけど、どこも緑色の藻で濁ってたな。でもみんな生活用水として普通に使用してたし、魚とかも穫れるようなので昔から濁ってたのかしらん。いちおう政府としても環境には気を遣っていて太湖のまわりに湿地帯を設けて温暖化対策をしたり、街中を走るスクーターの殆どを電動式にしたりとしてるようだけど、どこまで効果があるのかな。電動式スクーターは速度があまり出ないようだけど、赤信号とか関係なしに突っ込んでくるから通りを渡るのも一苦労だったぞ。
こういうツアーで行くことはもうないだろうが(つうか30半ばになっても一人で旅するのが嫌になってきた)、先にも書いたようにあと10年くらいは激しい変化を迎えるであろう国なので、いずれまた訪れるのも悪くはないかな。今回の旅行でいちばん印象的だったのは、無錫で泊まったホテルから、ビールを売ってるコンビニを探して数キロ四方を歩き回ったとき(1つもなかった)、ちょっと離れた公園で社交ダンスのレッスンをしているのを見かけたことか。すぐ横では浪曲の紙芝居みたいなものをがなり立ててるのにも構わず、ラジカセから流れる曲にあわせて15組くらいのカップルが街頭の明かりのなかでクルクル踊っている姿はなかなか幻想的でありましたよ。