ネットフリックスが100億円近い予算をかけて、ワインシュタイン・カンパニーと作ったオリジナル・シリーズ。
名前のとおりイタリアの商人のマルコ・ポーロがアジア東部を旅した話をベースにしたもので、撮影はカザフスタンやマレーシアで行なわれたみたい。商人の父を持ったマルコは彼とともにシルクロードをはるばる旅し、当時盛大な帝国を築いていたクビライ・カーンのもとへと赴く。そこで彼は父親に売られるような形でクビライの家来となり、徴税士となって帝国のあちこちの出来事を目にすることになるのだった…というような物語。
あちらのメディアではよく「ゲーム・オブ・スローンズ」との比較がされていて、まあ確かに宮廷内の人間関係とか、まだモンゴル帝国に降伏してない西安への侵攻にまつわる駆け引きなんかは「スローンズ」を意識してるんだろうなあという感じ。「スローンズ」ほどではないがおっぱいも出てくるものの、なんか女性がみんな色仕掛けの道具みたいな描写がされているのが気になったな。全体的な東洋の描写もちょっと気になるところがあるけど(道場とか)、おれ当時の歴史に詳しい訳ではないので何とも言えませんな。
冒頭では中国語やモンゴル語やイタリア語が飛び交うものの、クビライが突然流暢な英語を話しはじめ、それから先はアジア人がみんな英語を話すという展開はまあ大目にみましょう。その一方でマルコ役のロレンゾ・リーケイルミーはイタリア人なのでこの役のために英語を学んだのだとか。アジア人の役者としてはベネディクト・ウォン、リック・ユネ、ジョアン・チェンといった有名どころが出てるけど、日系の人はいないかな?たぶんジパング(日本)はストーリーに絡んでこないでしょう。
ネットフリックスは例によって全10話を一気に提供開始したものの、第1話を観た限りではなんかまどろっこしい宮廷ドラマが続いているようで、「ゲーム・オブ・スローンズ」というよりも「金のかかった華流ドラマ」といった感じ。本国での評判もイマイチみたい。ネットフリックスは今後もオリジナル・シリーズの制作に力を入れていくようだけど、人気のある原作の映像化とかを試みた方が無難なんじゃないのかなあ。