日本じゃ結局劇場公開しないんですってよ奥さん。
舞台は前作の5年後。青年となったヒックはトゥースレスとともに未知の土地の探索を行なっていたが、ある日ドラゴンを狩る男たちの集団に遭遇する。彼らを探ったヒックは氷に包まれたドラゴンたちの巣を発見し、そこを守る意外な人物に出会う。しかしドラゴンの撲滅を狙う男ドラゴの魔の手はその巣、さらにはヒックたちの故郷であるバークにも伸びてきて…という展開。
前作は本当に大傑作のアニメでして、今でもサントラをよく聴いたりするのですが、少年の成長とか異種族との和解とかボーイミーツガールとか、少年ものの王道の展開を真っ当から描いたところが素晴らしかったわけですね。それをやってしまったあとの今作では弱冠ネタ切れというか話が散漫になっている感が否めないが、しかしヒックが部族のリーダーへと成長していくさまはしっかりと描かれており、その象徴として重要な人物が○○したりと、結構ダークな展開が続くようになっている。その一方でケラケラ笑えるようなジョークも散りばめられているよ。
前作以上に多くの種類のドラゴンもでてきて、アルファ級(前作のボスみたいな連中)のドラゴンが暴れるところなんかは怪獣特撮のファンも満足できるんじゃないだろうか。ヒューレット・パッカードの新しいレンダリング・エンジンによって作られたグラフィックも、雲の上で舞うドラゴンとか夕陽の雪原などが非常に美しい(前作に続いてロジャー・ディーキンスがビジュアル・コンサルタントを担当)。大きなスクリーンで観たかったなあ。
声優陣は前作の人たちがそのまま復帰。ジェイ・バルチェルのヒックは前作だとナヨった感じが合ってたんだけど、青年になった今作ではちょっと頼りなく聞こえるかな。クレイグ・ファーガソン演じるゴバーが前作よりも重要な立ち回りを演じていていい感じ。一方でケイト・ブランシェットが新キャラを演じているものの、こないだ「ホビット」観たばかりなのでまたファンタジー映画に出てるのねとちょっと食傷気味である。今回はキャラクターが歌うシーンもあって、あまり個人的には好きではないのだけど、シェーン・マクゴーワン作詞でヨンシー&ジョン・パウエル作曲という珍しい組み合わせの曲なので大目に見ることにする。
まったく期待せずに観たら大傑作だった前作と比べるとインパクト的には弱いものの、「アナ雪」「ベイマックス」などとも勝るに劣らない出来の作品ですよ。なんでこれが日本で公開されないのか、ほんと残念。