センスない邦題は「セッション」。4月公開で、これ何の前知識もないまま観た方が楽しめると思うので、簡単な感想をざっくりと:
・音楽の師弟愛などではなく、あくまでも教師と生徒のガチな戦いに最後まで徹しているところが素晴らしい。教師の一線を越えたスパルタ的な教え方はブラック企業みたいなのですが、主人公がそれに迎合したりせず反撃するところが巧いなあと。
・しかし主人公もけっこう性格に難がある奴だというのがポイント。議論を呼びそうな終り方(意図的にああしたらしい)も含め、安直な感動作にしてないところがいいですね。
・でもタイミングよく起きる事件とか事故がちょっとクサいところもある。話のベースとなった短編映画はインターネット上から削除されてて視聴できないんだけど、どのくらい簡潔にまとめられてたんだろう。
・J.K.シモンズのアカデミー賞受賞は当然ですな。マイルズ・テラーは琴欧州に似ている。
・控え目ながら効果的なカメラワークも賞賛されるべきであろう。監督のダミアン・チェズルは音楽ものというニッチな分野を得意としてるみたいだけど、とりあえず今後の作品にも期待。