「アートスクール・コンフィデンシャル」鑑賞

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俺にとってオールタイム・ベスト第2位の映画「クラム」(第1位は「メトロポリス」ね)の監督であるテリー・ツワイゴフの最新作「アートスクール・コンフィデンシャル」を観た。あ、そういえば彼の前作「バッド・サンタ」はまだ観てねーや。

これはツワイゴフの前々作「ゴースト・ワールド」の原作者であるダニエル・クロウズのコミックを再び映画化したもので、「GW」同様にクロウズ自身が脚本に関わっている。作品の舞台となるのは題名通りアートスクールつまり美術学校で、芸術家になろうとする大志を抱いて入学した主人公が、一目惚れした女の子の心を自分のアートで勝ち取ろうとするものの、周囲には自分の作品がまったく認められず大きな失望を感じてしまう…というのが大まかな話。

4ページほどしかない原作は美術学校にいる典型的なタイプの人たちを鋭く描写したことで話題になったらしいけど、これが2時間ほどの映画になると、どの登場人物も典型的に描かれすぎているというか、奥の深さを感じさせない人物描写ばかりになっているのが残念。クラスメイトに酷評されてどんどん暗黒面に堕ちていく内気な童貞の主人公(アンソニー・ミンゲラの息子だ)とか、口だけで何の助けにもならない教師のジョン・マルコヴィッチとか、もうちょっと深く掘り下げれば非常に面白くなったであろうキャラクターはいっぱいいるんだけどね。決して悪い作品ではないんだけど、傑作「ゴースト・ワールド」に比べると劣っている感じがするのは否めない。

ちなみにうちのすぐ近くにも美術学校があるんだけど、中ではこの映画のようなことが起きてんのかな。