やっと日本でも放送が決定した「バトルスター・ギャラクティカ」のDVDムービー「RAZOR」を鑑賞。久しぶりに観た「ギャラクティカ」だけど、やはりその出来の良さと面白さは他のテレビ作品を遥かに超えていることを実感できるような作品だった。
ストーリーは最近流行りのプリクエルとなっていて、シーズン2に登場した宇宙空母ペガサスのケイン艦長やその部下の新米士官を中心に、サイロンによる最初の襲撃の光景や、ギャラクティカと出会う前のペガサスでの出来事、リー・アダマ指揮下のペガサスが遭遇した謎のサイロン艦、さらには40年前のサイロン戦争における若きビル・アダマの活躍などが描かれていく。つまり複数の時期の物語がフラッシュバックで次々と紹介されるわけだが、ストーリーテリングが巧みなので観ていて混乱するようなことはない。ビル・アダマの戦闘シーンなどではオリジナル・シリーズ版のサイロン兵士なんかも登場するので、オールド・ファンの人は嬉しいんじゃないでしょうか。
予算が多かったのかSFXも見事で、特にサイロンのバトルスター基地に対する襲撃のシーンは圧倒的。下手なSF映画よりもずっと出来はいいよ。またミシェル・フォーブス演じるケインがペガサスを率いるうちにどんどん独裁的になっていくところや、サイロンの進化の過程が少し明かされる40年前のシーン、指揮官として苦労するリーの描写なども巧い。そしてもちろんシーズン4へつながる手がかりが随所に隠されている。ただし最後のクライマックスは個人的にはイマイチだったかな。次に何が起こるか本当に分からないというのが「ギャラクティカ」の最大の醍醐味なのに、プリクエルという形をとってしまったため、決死のミッションに行った兵士たちの誰が死んで誰が生還するのかが大方予想がついてしまうんだよな。シーズン3に登場した人が、それより前の時点で死んでしまうわけないじゃん。「スター・ウォーズ」もそうだったけど、ここらへんがやはりプリクエルの最大の欠点だよな。
とにかく「ギャラクティカ」のファンなら絶対観て損はしない作品。ちなみにシーズン4っていつ始まるんすかね。聞いた話では脚本家のストライキにより製作がストップしたそうで、そうなると最終回は2009年どころか2010年放送とかになったりして。