「マクベス」鑑賞

Macbeth
通は「スコティッシュ・プレイ」と呼ぶのさ!と中二っぽいことを書いてみる。日本ではなぜか吉本興業が配給するらしいシェイクスピア悲劇の映像化な。

予言をする魔女が3人でなく4人いたり、細かいところは省略したりしているものの、内容は戯曲にかなり忠実に作られている。しかもセリフが戯曲そのまんまの古めかしい英語を使ってるんですね、これ。おかげで何を言ってるかわからない部分が結構あったよ。英語圏の人たちは普通に理解できたりするんだろうか。スコットランドが舞台の作品だがスコットランド訛りは比較的軽めであった。

セリフがわからなくても内容は「マクベス」なので、例によって主人公の運命の狂いが描かれていくわけですが、特筆すべきはその映像美。スコットランドの荒涼とした自然を背景に物語が語られ、霧の中から表れる魔女たちや、燃える大地のなかでの争乱などは見応えがありますよ。時代考証がどこまで正確なのか知らんけど衣装デザインも凝っていて、忍者のごとく背中に剣をさして戦う戦士たちがカッコいいのですね。

マクベスと演じるのはマイケル・ファスベンダー。マグニートーもそうだったけど自分の運命に苦悩する役が似合いますね。マクベス夫人を演じるのがマリオン・コティヤールで、思っていたほど強制的なビッチ役ではなく、物静かながらも要所で夫を自分の望む方向に促す役割を果たしている。あとはバンクオー役がパディ・コンシダインで、まあ基本的に彼の出ている映画に外れはないです。

今になって「マクベス」をストレートに映像化する必要ってどのくらいあるのかな、とは思ったものの、手堅い演技と映像の美しさによって十分に楽しめる作品になっていたかと。

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