「バットマン vs スーパーマン」観た反動でアート映画も観ましょうね、ということで。
カナダにガイ・マディンという映画監督がいまして、サイレント映画や初期のトーキー映画のスタイルを踏襲したビジュアルの作品を作ることで知られてるらしいのですね。単に「アーティスト」みたくサイレント映画を再現しているというよりも、もっとカットアップの手法を用いたり、撮影シーン自体を一般公開したりして、いろいろ前衛的なことをやってるそうな。まあ俺も詳しくは知らなかったのですが。
そして昨年のサンダンスで公開されたこの作品も、50年代のジャンル映画のパスティーシュみたいになってまして、「らしい」映像があまり脈略もなしに2時間こってり続くという内容になっています。最初はオッサンが風呂の入り方について語る公共メッセージのような映像から始まり、溶けて爆発しかねないゼリーとともに潜水艦に閉じ込められた兵士たちの物語になり、そこに木こりがひょっこり現れ、今度はその木こりが女性を取り返すために盗賊団のアジトに乗り込む話になり…といった話が、きちんと説明されないままずっと続いていくの。あとは他人の尻に魅かれる男性が脳手術を受けるさまが歌にのって語られたり、保険詐欺を強要するガイコツ女たちが登場したり。訳わかんないでしょ?
でも映像をただ並べているわけではなく、ときどき鋭いジャンプカットなんかもあったりして、それなりに入念な作り込みはしてるみたい。役者もウド・キアーやシャーロット・ランプリング、マチュー・アマルリックといった有名どころが出演してたりするのだが、映像が鮮明ではないために誰が誰なんだかよく分からなかったな。
1つ1つのシーンを観ると、意外と面白いところは多いんですけどね、これを2時間観るのはしんどかったな。でも批評家には例によって絶賛されてるようで。「バットマン vs スーパーマン」などとは全く別の世界の作品なのでしょう。
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