1970年代のイギリスのSFシリーズ「THE TOMOROOW PEOPLE」を観る。最近ちょっとしたきっかけで知ったシリーズで、Youtubeで見たオープニング・シーケンスの不気味さが非常に印象に残ってたのです。
これは73年から79年の長きにわたって放送されてた作品で、「BBCの「ドクター・フーに対するITV(民放局だよ)の返答」と当時は言われていたらしい。主人公となるのはテレポーテーションやテレキネス、テレパシーといった超能力をそなえた優勢人種「ホモ・スペリオール」として生まれた子供たちで、自らを「トゥモロー・ピープル」と呼ぶ彼らは仲間を探し出しながら、彼らを狙う宇宙人や人間の魔の手をかわしながら、地球を我々人類(ホモ・サピエンス)による破壊から救うために活動するのだった…というのが主なプロット。
ホモ・スペリオール対ホモ・サピエンスというコンセプトはかなり「Xメン」に近いところがあるんだが、子供向けの番組ということもあって全体的には「少年少女エスパー隊」というか、福島正美あたりが書いてそうなジュヴナイルSFのテイストが強い。子供の頃よく読んだっけ。あと作品中のテレポーテーションがアルフレッド・ベスターの「虎よ!虎よ!」にあやかって「ジョウント」と呼ばれているのが特徴的。コンセプト的にはけっこうハードなSF作品になれそうなものだけど、70年代の低予算ドラマだけあって特撮・演技ともにかなりショボいところが残念。しかも第1話から宇宙人が出てきていきなりスペオペっぽくなったりして、なんか話が散漫なところがあると思う。ちなみに製作者のロジャー・プライスはヒッピーあがりの人らしくて、どことなくサイケな特殊効果や新人類のコンセプトはそこから来てるのかな。
何にせよオープニング・シーケンスだけは、21世紀のいまでも斬新に感じられる出来。こないだたまたま立ち読みした「SFX」誌でも、「SFシリーズ史上最高のオープニング・シーケンス」に挙げられてたっけ。オープニングと内容の落差が激しすぎる、なんてことも書かれてたけど。オープニングの映像はこちら。