「THE MIDDLEMAN」鑑賞

iTunesストアで無料配布されていた「THE MIDDLEMAN」なるドラマのパイロット版を観る。ABC Familyの番組だからガキ向けの薄っぺらい内容かな、と思ってたら実はかなり楽しめる作品だったのであります。

内容はいわゆる「メン・イン・ブラック」的なアクション・コメディになっていて、アーティストを目指す派遣社員のウェンディという女の子が、ひょんなことからミドルマンという特殊エージェントに雇われ、彼の相棒として悪の科学者たちの野望を阻止していくというもの。ミドルマンというのは長年にわたって受け継がれてきた役職のようなもので、謎の上役からの使命を達成していく「中間業者」なんだそうな。

基本的にキャラクター設定やセリフまわしが巧みで、ストーリーの展開も早くて飽きさせない。ただしアクションとかもあるんだが、低予算のせいか全体的にまったりした部分があって、それが逆にシュールな雰囲気を生み出すことになっている。ウェンディの周囲の人間がみなスラッカー(グータラ人間)だということもあり、絶妙なユルさがあって楽しいのでありますよ。

ウェンディを演じるナタリー・モラレスという女の子はロザリオ・ドーソンをちょっと引き延ばしたような感じで、まあ許容範囲。パイロットでは「24」のクロエことメアリー・リン・ライスカブが悪の科学者を演じてるんだが、なぜか露骨に手を抜いたセリフ棒読みの演技を披露していて、それがさらに話のユルさを増す結果になってるのが面白い。

あと「コミックは読むか?」「(…)パワーズやフェル、アストロ・シティ、ザ・スピリット、アルティメイトじゃないXメン、マウス・ガード、あとザ・フラッシュね」「(好きなフラッシュは)バリー・アレンかウォリー・ウェストか?」などというアメコミに関する異様に深い会話が出てきて仰天したんだが、それもそのはずこの作品って原作がマイナーな出版社から出ているコミックなんだそうな。そんなコミックがあったとは知らなんだ。今度チェックしてみよう。

とりあえずこのパイロットの出来が今後も維持できるようであれば、相当面白いシリーズになりそうで期待できる。パラマウントの誰も知らない傑作シリーズ「Special Unit 2」くらいの出来になるんじゃないかな。

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