サンダンス映画祭において史上最高の額で購入された作品…なのだが米HULUへの配信ストレートだったりする。これ内容は何も知らないほうが楽しめると思うので、以降はネタバレ注意な。
舞台は当然カリフォルニアのパーム・スプリングス。妹の結婚式のためにそこを訪れていたサラは、ナイルズという奇妙な男性と出会う。式場を抜け出したふたりはねんごろな仲になるが、突然何者かにナイルズが弓で射たれてしまう。負傷したナイルズは近くの洞窟の中に入り、サラにはついて来るなというものの、サラもその洞窟に入ってしまう。そして次の朝に目を覚ましたサラが見たものは、妹の結婚式の準備をするスタッフたちだった。つまりサラは同じ日を何度も繰り返すタイムループのなかに入り込んでしまっており、アンディは彼女よりも前に同じループのなかに入っていたのだ。こうして同じ日を何度も繰り返して経験することになったふたりは、あり余った時間をどうやって使うか考えるのだった…というあらすじ。
つまりアメリカでは映画ジャンルとして確立された感のある「恋はデジャ・ブ」ものの最新版ですかね。今作のポイントは同じ日を繰り返すループに入ってるのが2人いるというところか。別に洞窟に入らなくても眠ったり死んだりすれば1日がリセットされるために、ループから抜け出すのを諦めたふたりはずっとビール飲んだりバカ騒ぎをしたり。
ナイルズはサラよりも長くループに入っていたためにより多くの体験をしており、その一方でサラには明かせない秘密を抱えているし、サラもまたナイルズに言えないことがあったりする。永遠に同じ1日を過ごすなかでお互いの気持ちをどう整理するかに後半は焦点が当てられており、コメディなんだけれどもロマンスに重きが置かれている内容になってました。
ナイルズを演じるのがアダム・サムバーグで、周囲が彼の言動に慌てふてめくなかで余裕の振る舞いを見せる演技は「ブルックリン・ナイン-ナイン」のジェイクそのまんま。例によって彼の属するザ・ロンリー・アイランドの人たちもプロデューサーに名を連ねてます。サラ役を演じるクリスティン・ミリオティは「ウルフ・オブ・ウォールストリート」とかに出てたらしいけど記憶になく…でも自分に自身の持てない女性を好演してました。サラの妹と結婚する新郎役がタイラー・ホーチンで、あとは詳しく書かないけど重要な役でJK・シモンズが出演してます。
ストーリーは最終的にはある方法で決着がつくのだけど、そこに至るまでの流れが男女の違いをうまく表していて、あーなるほどねーと妙に納得してしまった。アメリカでは批評家や視聴者に絶賛されてるようで、この楽しめる内容が皆に受け入れられたんだろうな。日本での公開・配信はどうなるんですかね?