「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」鑑賞

『“極”悪党、集結』とか言われてもそんなダサい邦題、誰も使わんがな。本編でも字数の関係からか、チーム名を「決死部隊」とか訳していて何だかなあと思ったり。「ジャスティス・リーグ」を「正義同盟」とは呼ばんでしょ。公開したばかりなので感想をざっと:

  • 「スーサイド・スクワッド」に何を求めるか?といえば、やはりキャラクターが使い捨てでバンバン死ぬなかでどうにかミッションをこなしていく姿でして。そういう点では「貴重な」キャラが多かった前作に比べて、今回はC級・D級のキャラがいろいろ出てきて冒頭からどんどん死んでいくあたり、ジェームズ・ガンのお下劣テイストとあわせて、作品のセールスポイントをうまく捉えていたんじゃないですか。
  • ストーリーが比較的シンプルで大きなヒネリがない一方で、時系列がたまに過去に戻ったりする演出はちょっと気になったものの、ヒーローのモラルとかジレンマを説かずに、ただただカッコいいアクションと映像を映し出すスタイルは嫌いじゃないですよ。
  • 前作はチームの一員がヴィランであったことで、いまいちヴィランとの戦いも煮え切らないところがあったか、今回はヴィラン戦がまんま怪獣映画なので勧善懲悪のスカッとする感じがありますね。いまでこそコミックのほうでもスターロってコミックリリーフみたいになったけど、昔はまっとうなヴィランだったのだぞ。小スターロが一般人の顔にひっつく描写とかが見れて満足。
  • マーゴ・ロビーとかジョエル・キナマンとかも前作より軽快な演技していて良いんじゃないですか。あの何をやってもクドいジャレッド・レトのジョーカーがいなくなった効果は大きいな。初登場のイドリス・エルバことストリンガー・ベルと、ジョン・シナの掛け合いなどもナイス。なぜピースメイカーがスーサイド・スクワッドにいるのかよく分からんが、あのムキムキの筋肉はやはりヒーロー映画向きだな。これだけキャストが多いのにアメリカ人俳優が少ないのもハリウッド映画ならではか。ピーター・カパルディ、スコットランド訛りが全開でしたな。

観たあとに何か心に残るような作品でもないし、微妙にグロいので万人に勧められるものではないけれど、イカしたサントラにあわせてカッコよく決めたヒーローたちが暴れるアクション映画としては十分に面白かったと思う。初週の興行はパッとしなかったようだけど、ピースメイカーのTVシリーズが面白くなることに期待。