THE OFFICE」のスティーブン・マーチャントが脚本・監督のBBCの新シリーズ。
舞台はブリストル。万引きや詐欺、買春といった軽罪で逮捕された7人の老若男女が懲罰として社会奉仕活動を行うように命じられ、廃屋の清掃を行なわされる。様々な経歴を持った彼らは最初はよそよそしかったものの、やがて徐々に打ち解けていく。しかしそのなかの少年がギャングから奪った大金をそこに隠し、それを他の人たちが見つけたことから、彼らは知らぬ間にギャングに狙われることになり…というあらすじ。
題名こそ「アウトロー」だが、主人公の男女7人はみんな軽微な罪で逮捕されたので収監されずに自宅に住み、仕事にも行くことができるという設定。冴えない弁護士や父親から会社を継いだ2代目社長、セレブのインフルエンサー、厳格な両親のもとで育ったためストレスで万引き癖がついた少女など、多様な悩みをもった主人公たちのやりとりや、彼らの家族の話などが語られていく。マーチャントの作品にしてはコメディ色は意外と薄めで、家族ドラマっぽい感じもするが前述したようにギャングも絡んでくるのでサスペンスの雰囲気もあり、これからどういう展開になっていくのですかね。
主役はマーチャント演じる弁護士ではなく、リアン・ブレトー演じる万引き癖のある少女になるのかな。彼女がグループの少年と親密になっていく一方で、少年が抱えているギャングとのトラブルに彼女が巻き込まれていくのが大きなプロットになっている。あとは「ドラキュラ」のドリー・ウェルズが出ているほか、ギャングの大物役にクレス・バング、さらにはリチャード・E・グラントも登場するそうでなかなか豪華な役者が揃ってますね。
しかしこの番組の最大の飛び道具はやはり、クリストファー・ウォーケンが出演していることだろう。ウォーケンがTVシリーズにレギュラー出演したのって初めてじゃないだろうか。よくイギリスまで連れてこれたな。なおベトナム戦争の徴兵を逃れてイギリスにやってきたアメリカ人という設定なので、イギリス訛りの英語は話していないです。彼はただ立ってるだけでも絵になる役者だが、登場人物が多いため必ずしも彼に十分な時間が割かれてないのが残念といえば残念。あとさすがに歳取ったのか声が出てないような。
これからサスペンスとドラマとコメディのバランスを、どうとっていくのかがカギだろうが、第2シーズンの製作もすでに決まってるようなので話はいろいろ続くのでしょう。とりあえず観るのを続けることにする。