「WATCHER」鑑賞

イット・フォローズ」の、「つきまとわれて困ってしまう」マイカ・モンローが帰ってきた!というわけで彼女が主演のスリラー作品。以降はネタバレ注意。

舞台はブカレスト。夫の転勤に同行する形でそこにやってきたジュリアは現地の言葉を話せずに孤独を感じるなか、住んでいるアパートの反対側の建物からいつも彼女をずっと見つめている人影があることに気づく。彼女の夫たちはジュリアの不安が杞憂であることを伝えるが、その一方では連続殺人事件が街で起きていた。そして外出したジュリアは何者かが彼女を尾行していることに気づき…というあらすじ。

スーパーナチュラルものというよりヒッチコック風のスリラーで、人知を超えた何かにつきまとわれる「イット・フォローズ」のような絶望感こそないものの、誰も助けてくれない状況において涙を浮かべながら努力するマイカ・モンローの演技が相変わらずハマっていて見応えあり。いわゆるスクリーム・クイーンとは一風違ったホラー女優としての存在感があるよな。あとは「トーチウッド」のバーン・ゴーマンなどが出演してます。

これ元の脚本では舞台がブルックリンだったらしいが監督のクロエ・オクノ(日系人?)が舞台をブカレストに移したようで、言葉が通じない環境に置かれた女性の閉塞感がよく映し出されている。とはいえアメリカのホラーでたまにある「外国に行ったらヒドい目に遭った」という設定って、その国の人たちにはちょっと失礼のような気がするのですが、アメリカ以外の映画でも似たような設定のホラーってあるんだろうか。

制作予算はそんなにかけてないと思うがブカレストでの撮影をしっかり行ってるし、シーンごとの雰囲気の醸し出し方も上手くてよくできた小品。