新春「ドクター・フー」マラソン

イギリスでクリスマスから元旦にかけて「ドクター・フー」のクリスマス・スペシャル、およびそのスピンオフ番組「TORCHWOOD」のシーズン最終話(前後編)、そしてさらなるスピンオフ「SARAH JANE ADVENTURES」のパイロット版が放送されたので、それら合計4時間をダダッと鑑賞する。ヒマだね俺も。
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まずは「TORCHWOOD」。前に書いたときから結局進歩しなかったねこのシリーズ。最大の問題点はやはり、何百年も前から存在していてドクターも一目おく秘密組織であるはずのトーチウッドのメンバーが、痴話ゲンカと仲違いばかりやってて、問題を解決するよりも自分たちで巻き起こしてる場合が多いというお粗末な状況にあるだろう。今回のエピソードもそのまんまで、時空の裂け目が広がって世界中が混乱するんだけど、そもそも裂け目を広がらせたのは(理由があったとはいえ)トーチウッドのメンバーだし、その問題を解決するかと思いきや相変わらず仲違いばっかりやってて、しまいには撃ち合いまでするんだからシラケてしまう。もっと才能のある人員は雇えなかったのかい?

他のエピソードでも僻地に住む猟奇一家とか半分サイバーマンの女性とか、きちんと料理すれば良質の硬派SF作品になりえたテーマがたくさんあったのに、メンバーの能力不足によっていずれも水で薄めたような出来になってしまったのは非常に残念。同性間のキスや汚い言葉で大人向けの作品のふりをしていても、肝心のプロットが子供だましなのでありますよ。でも最後のエピソードのラストシーン「だけ」には期待が持てるかもしれない。
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そしてこのツマらない「TORCHWOOD」に「面白いSFってのはこう作るんだ!」とばかりに戻ってきたのが「ドクター・フー」のクリスマス・スペシャル。今回はドブスのローズもいないし、デビッド・テナントがフル活躍してなかなか楽しませてくれる。いまいち悪役がみみっちくて、その動機が理解しづらいのが難点だけど、「次の展開はいったいどうなるんだろう」というワクワク感を与えてくれるという意味では相変わらず優れた番組。次シーズンの相棒のおねーちゃんは美人みたいだし、「TORCHWOOD」とのクロスオーバーもあるうえに「ボーの顔」の予言の秘密が明かされるということで、今年もまた見逃せないシリーズになりそうだ。ちなみにテナント降板の噂が流れたそうだが、本当なの?
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そして最後は「SARAH JANE ADVENTURES」。これは70年代にドクターの相棒を長年務め、昨年のシーズンにもゲスト出演したサラ・ジェーン・スミス(演じるのはエリザベス・スレイデン)を主人公にした新番組で、「ドクター・フー」よりもさらに低年齢層を狙った作りになっている。俺は彼女が出てた頃の「ドクター・フー」を知らないんで特別な思い入れはないんだが、子供向けとはいっても怪物のCGとかはすごくよく出来ているし、センス・オブ・ワンダーがあって大人でも十分楽しめる内容になっている。ロボット犬K-9もちょっと出てくるし。60近いオバハンが主人公のシリーズというのがどれだけ人気出るかわからないけど、今回のパイロット版ではミス・マニーペニーことサマンサ・ボンドが悪役として登場し、オバハン同士の争いを見せてくれたのは結構面白かったぞ。

こんなわけで「ドクター・フー」から2つのスピンオフ番組が生じたわけだが、片方は大人向けでもう片方は子供向けというのが何か面白いよね。とりあえず個人的な評価は:

「ドクター・フー」 B+
「TORCHWOOD」 C
「SARAH JANE ADVENTURES」 B

といったところかな。あくまでも今回観たエピソードに限っての評価ですが。

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