風邪をひいて会社を休んだので、家でゆっくりとセルジオ・レオーネの「ウエスタン」を観る。まだ観たことがなかったのです。
3時間近い長編でありながらセリフの量が圧倒的に少なく、すべてを演出とエンニオ・モリコーネの音楽だけで語り尽くす手法は実に見事。最近はこんな映画まるで作られなくなっちゃったね。主役のチャールズ・ブロンソンが仏頂面すぎる感じがなくもないが、生涯唯一の悪役を演じるヘンリー・フォンダの憎々しくも魅力的なキャラクターと好対照をなしていて面白い。またモリコーネの音楽だけでなく、きしむ風車や汽車の蒸気などといった自然音も非常に効果的に使われており、場面の雰囲気をうまく醸し出している。レオーネ作品の効果音といえば、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」の冒頭の電話の音の使い方が衝撃的だったなあ。
個人的には「続・夕日のガンマン」や「〜アメリカ」にはどうしてもかなわない作品であるものの、それでも大傑作であることには間違いないのです。