「THE WIRE」シーズン4鑑賞

前のシーズンからずいぶん間があいてしまった。いちばん出来のいいシーズンなんて評判を聞くと、メシでも食いながら気軽に観る気になれなくてさ。

当然シーズン5は未見なのでこれが本当に最高のシーズンなのかは不明だが、話がここまで進んでくると人物関係とかが非常に複雑に絡み合ってすごいことになってるなあといった感じ。シーズン3以上に市政に焦点をあてた内容になっていて、市長の座を目指すトミー・カーケッティの選挙運動と、彼の当選後に山積みにされた行政上の課題が、汚職にまみれたボルチモアの内情とともに描かれていく。それと並んで大きな焦点をあてられているのが教育制度の問題で、一部の教育者たちの努力にも関わらず、学校の予算の欠如や家庭内の問題などによって生徒たちがドロップアウトしていくさまが、4人の少年たちを中心に語られていく。地上波のテレビ局ではセレブな白人のティーンたちによる学園ドラマが相変わらずお盛んですが、それに対して黒人しかいない学校の物語というのは非常に斬新に感じられた。不遇な目に遭うのが子供たちということで非常に後味の悪い結末を迎えることになるけど。

なお刑事ドラマとしての部分は、犯罪班が最後まで結成されないことなどから捜査が一向に進まずかなり欲求不満な出来。ここらへんはシーズン5で挽回されることに期待しましょう。マルロ・スタンフィールドの一味って狡猾すぎるせいか、バークスデイル一味に比べてなんか面白みがないんだよな。

日本でも学級崩壊なんて騒がれてるけど、アメリカに比べればまだ可愛いもんですよ。医療制度にしろ教育制度にしろ、彼の国はどこかで進む道を選ぶのを誤ったんだよな。日本が同じようにならないことを願うばかりです。

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