コミック作家は全米図書賞の夢を見るか?

昨日に続いてWIRED関連の話。あそこのスタッフライターが自分の記事で、とあるグラフィック・ノベル(コミックのことだよ)が全米図書賞にノミネートされたことに対し、「コミックなんてものは全米図書賞に値しない」と書いたことで、多くのコミック・ファンはおろかニール・ゲイマンからも非難を受けているんだとか。例えば2001年にガーディアン・ファースト・ブック・アワードを受賞した「ジミー・コリガン」なんかは、コミックであってもそんじょそこらの小説が到底かなわない繊細さを誇る作品だし、「図書」と名が付いているからにはコミックがノミネートされたっていいじゃん、と思うんだけどね。

まあ1人のライターの意見として聞き流しとけばいいんだけど、彼が当のノミネートされた作品を読んでないと告白してるのは噴飯もの。批評のネタにとりあげるんだったら立ち読みくらいしとけよ。WIREDもずいぶんバカな奴に記事を書かせたもんだね。

ちなみに俺は「グラフィック・ノベル」という言葉がどうも好きになれなくて、これはその昔コミックがひたすら偏見を受けていた時代において、もうちょっとサエた名前をつけることでコミックがれっきとしたアートであることを表明しようとしたウィル・アイズナーが考案されたという由緒ある言葉だが(異説あり)、これってなんか「ふんどし」を「クラシックパンツ」と呼ぶような、別に恥ずかしがる必要もないのにカッコいい言葉の裏に隠れてるような気がしてしょうがないのです。おかげで最近は日本の映画雑誌なんかも「原作はアラン・ムーアのグラフィック・ノベルで…」みたいな文を書くようになったけど、別に「コミック」は「コミック」なんだって胸を張って言ったっていいじゃん。