「ON A CLEAR DAY」鑑賞

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ケン・ローチ監督の「マイ・ネーム・イズ・ジョー」の主人公、および「マグダレンの祈り」の監督でもあるピーター・ムランが主演した作品「ON A CLEAR DAY」を観た。彼が演じる主人公のフランクはグラスゴーの工場で長らく働いていたが、ある日解雇を通告されてしまう。生きる目標を失った彼は、人生を一新させる目的としてイギリス海峡を泳ぎきろうと決意するのだった…。というのが大まかな内容。ちなみにホビット君ことビリー・ボイドが出てるでやんす。

あらすじから予想がつくかもしれないが、要するに「フル・モンティ」という柳の下にいる527匹目くらいのドジョウ。労働者階級の男たちが冗談を言い合い、励まし合いながら大きな目標に向って進んでいくというストーリーはイギリス映画界の名産物になったなあ。しかも今回は長いあいだ不仲だった息子とか、家計を助けるため健気に働く妻、主人公の姿に励まされる友人たちなど、この手の映画につきもののクリシェがたんまり入っててお腹いっぱい。でもストーリー展開は王道を行っているので先が読めるとはいえ決して心地の悪いものじゃないし、ムランの演技がしっかりしてるので観ててそれなりに楽しめたかな。
気になったのは、主人公と周辺の人たちのエピソードがいろいろ出てくるんだけど、どれもが短くてきちんと描ききれておらず、これが逆に映画のテンポを悪いものにしてるところがあった。登場人物がもう1〜2人少なかったほうが良かったんじゃないの。

ちなみにこの映画って製作会社がメル・ギブソンのアイコン・フィルムなんだけど、ギブソンはあんな失態をおかして映画界から総スカンをくらったわけで、今後のアイコンの運営ってどうなってくんだろう。