「MR.MOTO’S LAST WARNING」鑑賞


ドイツの怪優ピーター・ローレが日本人の秘密エージェント、モト・ケンタロウを演じた「ミスター・モト」シリーズの1つ「Mr. Moto’s Last Warning」を観る。ずっと前にトロントのウォルマートでDVDを1ドルくらいで買ってたのです。どうもパブリック・ドメインに属している作品らしく、archive.orgでもダウンロードできるようだ。

1939年に製作されたこの作品は古典的なハリウッドのサスペンス映画といった感じで、イギリスとフランスの仲を悪化させて第2次世界大戦(!)を引き起こそうとする某国の陰謀を阻止するため、エジプトを舞台にミスター・モトが奮闘する…といった感じのストーリー。ジョン・キャラダインをはじめ、そこそこ名の知れた往年のスターが共演してるみたい。不穏な時代の北アフリカが舞台という意味では、同じくローレが出演した「カサブランカ」に通じるものがあるかな。

神出鬼没の敏腕エージェント、ミスター・モトは当時流行ってた中国人探偵「チャリー・チャン」を明らかにパクったキャラクター。少し出っ歯で丸メガネという外見がちょっとアレだが、頭脳明晰で武術の達人というカッコいい主人公であるため、あまり人種差別的なキャラクターという印象は受けない。カタコトの英語しか喋れないフリをして、気を許した白人から情報を聞き出すシーンもあったりする。そもそもローレがどうやっても日本人に見えないんだけど、冒頭で殺される彼の替え玉役にはしっかりアジア人俳優が使われてたりする。まるで似てない替え玉を使ってどうすんだよ。当時の観客はローレのことを本当に日本人だと思い込んで観てたんだろうか。

尺が70分くらいしかなく、プロットも荒削りなところがあるものの、お茶目なラストまで飽きずに観ることができる好作品。現在のハリウッドはこんな映画つくんなくなちゃったなあ。

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