なんか不思議な時期に始まったフォックスのTVシリーズ。基本的にはアクション・コメディで、露骨に80年代の刑事ドラマのパスティーシュになっている。
主演の刑事2人組を演じるのは、トムの息子ことコリン・ハンクスと「ザ・ホワイトハウス」のブラッドリー・ウィットフォード。前者はドジだけどもっと真剣な事件を扱いたがっている若手刑事で、後者は25年前に知事の息子を救出したことで一躍有名になってものの、今は飲んだくれで時代遅れになっている刑事という設定。この凸凹コンビが組んで事件を解決していく内容になってるんだけど、2人の行動に手を焼く上司とかも含め、過去の刑事ドラマの焼き直しという感は否めない。
本国ではビースティ・ボーイズの「サボタージュ」のPVのドラマ版なんて言われているようだけど、まあこの古くささをどうやって面白さに昇華させるかが今後の課題だろうな。第1話を観た限りではマヌケなメキシコのカルテルの一味や、臆病だけど口の達者な黒人の質屋とか、人種のステロタイプな扱いが見受けられるのも気になる。あと捜査が行ったり来たりしているというか、なんか話のテンポが悪いんだよね。この話を監督したティム・マシソン(「ザ・ホワイトハウス」の副大統領だよ)はアクション系の番組を撮るのは巧くて、ここでも最後のカーチェイスなんかはよく撮れてるんだけど、コメディには向いてないような。さらに言うとウィットフォードもコメディ向きではないじゃないの。「Studio 60 On The Sunset Strip」とかのほうがずっといい演技してたぞ。
本国での評判もイマイチのようなので、早急にパロディとドラマの正しいバランスを見つけないとあまり長続きしないのでは?昔の刑事ドラマへのオマージュという意味では「ライフ・オン・マーズ」のほうが100倍くらい面白かったぞ。