「Scott Pilgrim vs. the World」鑑賞


アメリカでは評判も興行成績もイマイチだったようなので、こりゃエドガー・ライト初の駄作かな…と思って観たら大変楽しめる作品だったのでありますよ。

トロントに住む22歳のスコット・ピルグリムはバンドでベースを弾いてるスラッカーで、さいきん女子高生と付き合い始めたものの、パーティーで見かけたラモーナという少女に心惹かれるようになる。そして彼女とねんごろな仲になるスコットだったが、ラモーナには7人の悪い元恋人がいて、彼らを倒さないとラモーナと付き合うことはできないという事をスコットは知らされる。それを知って驚くスコットのところに、さっそく1人目の元恋人が襲いかかってきて…というようなお話。ブライアン・リー・オマリーの原作コミックは画が好きになれなくてまったくチェックしたことなかったんだけど、マンガチックなバトルがうまく映像化され、全編に渡ってドタバタが繰り広げられる痛快な作品になっていた。

ストーリー自体は比較的起伏がなくて、元恋人たちとのバトルが続くだけなんだけど、どのバトルも滑稽無糖で楽しいし、若手有名俳優たちが演じるキャラクターがみんな個性的で、観る人をまったく飽きさせない。ただしスコットとラモーナを演じるマイケル・セラとメアリー・エリザベス・ウィンステッドが、周囲のキャラに比べておとなしすぎたかな。主人公はもっと活発なタイプかと思ってたんだけど。

ゲームやコミックを意識した映像はCGがたんまり使われていて、普通だったら人工的というかクドい内容になりそうなものだけど、ライト作品の特徴である絶妙な編集テクニックのおかげで話がテンポ良く進むうえ、細かいネタも多くてぜんぜん話がダレたりしないのは凄いな。これはぜひ日本でも劇場公開してほしい作品ですよ。

あとトロントに住んでた人間として言わせてもらうと、主人公たちはブロアー通り周辺をたまり場にしてるようで、やはり若者はあそこらへんに集まるのかな、といった感じ。ライブハウスでもリーズ・プレイスとか出てきたし。それとカーサ・ローマ(劇中で映画撮影が行われてるところ)って行っとけば良かったな。なんで足を運ばなかったんだっけ?まあいいや。あとは夜間や屋内のシーンが多かったんで、どこらへんで撮影したのかよく分からなかったよ。

ちなみに俺が主人公だったら、元恋人の多い女の子や女子高生よりも、アナ・ケンドリックが演じる妹に手を出してるね!

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