「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」が日本でもヒットしているバンクシーが共同監督した、イギリスはチャンネル4の1時間番組。題名はいわずもがな「Antiques Roadshow」のもじりだね。
冒頭から先日のロンドンでの暴動のシーンが映し出されてドキッとするが、すぐに女優のキャシー・バークによるナレーションで「こないだロンドンじゃ路上で略奪が起きたけど、ほんの数週間前まではね、もっとましな方法で体制に反抗した人たちがストリートにはいたのよ」なんて言葉がかけられ、古今東西のイタズラ人間たちの行為が紹介されていく内容になっている。
パックマンのコスプレをしてスーパーマーケットを爆走するフランス人から始まり、元KGBの本部の近くの跳ね橋に巨大なチンコの絵を描いたロシア人や、航空基地に忍び込んで戦闘機をトンカチで破壊した女性活動家たち、有名人へのパイ投げを行うベルギー人といった人たちの行為が紹介され、最後に登場するのは我らがイエスメン!紹介される人たちがみんな反体制的なモチベーションやアート指向を持っているわけではなく、純粋なプランクスターみたいな人も登場するけどね。あと美術館で転んで高価な陶器を破壊した男性も出てくるが、あれはイタズラとは呼ばんよな。
こうした人々を正義の活動家と讃えるべきか、単なる迷惑連中として扱うべきかは、見る人によって様々だろう。俺もフラッシュモブとかは好きではないしね。また最近では彼らの行動がYouTubeなどで世界的に知れ渡るようになった一方で、60年代からイタズラをしていた男性なども登場して、プランクスターの歴史のようなものを感じてしまったよ。
最初から最後までいろんな人たちのイタズラが次々と紹介されるだけなので構成としては散漫な印象も受けるし、「イグジット〜」のようにストーリー性があるわけでもないが、逮捕されるのを覚悟で体をはってイタズラを実行する人たちの姿はゲラゲラ笑えるものがあって大変面白い番組でした。
でもこういうイタズラで一番凄いのってやはり「MAN ON WIRE」のフィリップ・プティだよな。行ったことがあまりにも見事なので誰もイタズラだとは思わなくなったというやつ。
番組はすべてYoutubeにアップされていた。